読谷村(よみたんそん)に「鳳(おおとり)バス」あり![前編]

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今年の大型連休は、2020・21年の新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言発令などの行動規制がない状況であることから、久々に旅行や帰省などをされた方も多いかと思いますが、まだまだ油断できない状況が続いているため、遠方へ出掛けづらいことに変わりはないかもしれません。沖縄県は大型連休や長期休暇の際の旅行先に選ぶ人が多い人気スポットですが、コロナ禍が続いている昨今では訪れたくても訪れられない場所となってしまっています。そこで今回は2017年3月29日発刊の『バスグラフィック』Vol.30沖縄特集号の記事から、沖縄県中頭(なかがみ)郡読谷村のコミュニティバス「鳳バス」の旅を紹介します。旅をするのはバスグラフィックイメージキャラクターの布施貴美子(ふせ・きみこ)さんです。

日本一人口の多い村、読谷村

那覇市から北へ約30km、クルマで1時間ほどのところにあるのが読谷村です。
沖縄県西海岸に面しており、人口は2022年3月末日の人口は41,801人で、日本一人口の多い村として知られています。総面積は35.28kmで、東京のJR山手線内側の面積の約半分。有名な特産品の一つとして紅イモがあり、紅イモを使ったスイーツがいろいろと味わえます。また、冬の夜に菊畑を照明で照らし、開花の調整を行って育てられた菊が各地へ出荷されています。
伝統工芸品としては、「読谷山花織(ゆんたんざはなうい)」という織物や「読谷山焼(ゆんたんじゃやき)」という焼き物が知られています。

名前の由来は地形のイメージから

読谷村のコミュニティバス「鳳バス」は、2009年4月1日より運行を開始しました。その名の由来は、残波岬(ざんぱみさき)を頭に、東シナ海へ向かって飛び立つ読谷村の地形イメージから、大海原へ羽ばたく鳳のように読谷村がさらに発展することを願ってとのことです。
運行については、平日は北ルート、西ルート、南ルートの3ルート。土曜・日曜・祝日、「慰霊の日」の6月23日、年末年始の12月29日~1月3日は北ルート、南ルート、西ルートのそれぞれ一部のルートを結んで構成された休日南北ルートを走行しています。実際の運行業務は、読谷村から沖縄県の大手バス事業者の沖縄バスが受託し、行っています。

紅イモ色の車体とカーテンがキュート!!

「鳳バス」に使われている車両は、全国各地のコミュニティバスで活躍が見られる小型路線バスの日野ポンチョで、2009年の運行当初から現在まで活躍しています。全部で3台ありますが、全て車体2カ所に出入口を持つ仕様となっています。
紅イモをイメージしたピンク色の塗装をまとったキュートなカラーリングデザインで、利用客から愛されています。車内は全て前向き座席となっていて、他の地域のコミュニティバスで使用されている日野ポンチョと比較しても特に大きな仕様の違いは見られませんが、カーテンの色が紅イモ色となっていることが「鳳バス」としての個性と言えるでしょう。

「鳳バス」の西ルートに乗ってみよう!

それでは、「鳳バス」に乗ってみましょう!
平日の発着は、基本的には一部が「読谷バスターミナル」バス停発着となっていることを除き、北ルート、西ルート、南ルートの全てのルートが「JAゆんた市場(いちば)」の発着となっています。まずは西ルートを「JAゆんた市場」から乗ってみることにします。西ルートは読谷村のほぼ中央部にある「JAゆんた市場」を起点に村の南西部をぐるりと回って再び「JAゆんた市場」に戻って来る循環路線です。

このルートで立ち寄ってみたいポイントは2つあります。1つ目は「シーレーク座喜味(ざきみ)」バス停が最寄りの「やちむんの里」。
「やちむん」とは焼き物のことで、沖縄の陶器の伝統・文化・歴史に触れることのできる場所で、窯元(かまもと)や陶芸家のギャラリーが軒を連ねており、共同売店もあります。

1980年に造られた9連房の共同登り窯(のぼりがま)は「やちむんの里」のランドマーク的存在です。

2つ目のポイントは「座喜味」バス停が最寄りの座喜味城跡(ざきみじょうあと)です。1420年に名将の護佐丸(ごさまる)が築城した城の跡で、世界遺産にも登録されています。

曲線構造の城壁とアーチ型の石門が非常に美しく、琉球ロマンを感じます。入場無料でいつでも見学することができます。

次回は、「鳳バス」の北ルートに乗車します。

※ 協力 : 読谷村、沖縄バス株式会社
※ 出演 : 布施貴美子(バスグライメージキャラクター)
※ 写真 : 伊藤岳志
※ 文 : バスグラフィック編集部(宇佐美健太郎)
※ 本項に掲載の車両写真は記事制作を条件に事業者の特別な許可を得て撮影したものです。掲載車両の営業所・車庫内での撮影要望や運行状況などのお問い合わせを事業者へ行わないようお願い申し上げます。
※本記事は2017年3月29日発刊の『バスグラフィック』Vol.30の掲載内容を再編集したものです。

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