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奈良交通が “DREAM SLEEPER” の運行を始めたワケは…?[ 後編 ]

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2022年12月16日、奈良交通と関東バスが完全個室夜行高速バス「DREAM SLEEPER(ドリームスリーパー) 東京・大阪奈良号」の共同運行を開始しました。
今回は「バスグラフィックTV」でもおなじみ、奈良交通広報担当の大川 真由子(おおかわ・まゆこ)さんに案内してもらいながら、奈良交通の “DREAM SLEEPER” を紹介します。
前編記事では運行開始の契機、目的などにふれながら外観をクローズアップしましたが、後編記事はいよいよ車内に入って「完全個室」を体験してみます!

まるでホテルの通路のような光景

それでは大川さんの案内で前扉から乗車してみます。
前扉の窓の上部には側面行先表示器をビルトインしており、行先をはじめとする表示が確認しやすくなっています。

乗車して運転席横のステップを上がって車内を前から後ろへ見通すと、一般的な高速バスとは明らかに違う車内風景が目に飛び込んできます。
何と座席ではなく、まるでホテルにいるかのような両サイドを壁で仕切られた細長い通路が現れるのです。
これこそ「完全個室」を名乗る所以(ゆえん)で、1席1席が床から天井までキッチリとパーティションと扉で仕切られています。当然、座席の前後もパーティションで仕切られています。
各席の扉は開いた時にジャマにならないよう、パーティションを戸袋としてうまく収まるような引戸となっており、扉を開くと大きなゆったりとした座席が設けられた極上のプライベート空間が広がります。

車内通路での後ろから前方への眺め。
全ての座席の扉を閉めた状態は、とても高速バスの車内とは思えない光景で落ち着いた雰囲気です。
座席は扉側が6席、運転席側が5席で、合計11席しかありません。なお、扉は施錠(せじょう)できません。

無重力のように身体に負担がかからない座席!?

「DREAM SLEEPER東京・大阪奈良号」のウリは「完全個室」なだけではなく、豪華な座席を設けていることにもあります。
この座席は「ゼログラビティシート」と呼ばれ、無重力のように身体への負担がかかりにくいことが特徴です。
では、試しに大川さんに座ってもらい、これから座席の使い方を実演してもらいましょう。
各座席では備え付けのスリッパをはきます。座席に座ったらまずはヘッドレストの位置を合わせます。

その後は窓際にあるスイッチでの操作におまかせです。
全自動で「ゼログラビティ」の姿勢にすることができるうえ、リクライニングやチルト、フットレストなどの可動調整も電動で行うことができます。

「ゼログラビティ」姿勢で就寝する様子も実演してもらいました。
この座席は昭和西川が開発したクッションの凹凸(おうとつ)部分の凸部分で身体を支える「ムアツクッション」を採用していることから、身体への負担が少なく、まさに長距離の夜行高速バスでの移動に適したものです。
また、各座席には調光機能付きのダウンライトを備えているため、就寝時も快適に過ごすことができます。

いたれり尽くせりの装備とサービス

座席前方にはノート型パソコンを置くこともできる折りたたみ式のテーブルを備えています。
また、接続時間無制限の無料Wi-Fi(ワイファイ:高速無線ネットワーク)サービスを行っています。

車内ではオリジナル快眠ミュージックの放送サービスも行っており、窓際にあるツマミでチャンネルを選択し、備え付けのヘッドホンで聴くこともできます。
ヘッドホンは使用ごとに交換するカバー付きのものです。また、交流100V電源とUSB(Universal Serial Bus:データ転送経路)ポートも備え付けています。

各座席窓際にはシャープ製のプラズマクラスターイオン発生機も装備しており、安心な空気の中で過ごすことができます。

さらに各座席には、ミネラルウォーター、スリープマスク、耳栓(みみせん)、歯ブラシセット、ウェットタオルなどアメニティも充実。
ブランケット(毛布)、室内着の貸し出しサービスもあります。

座席以外にもうれしい心づかいが…

車内中ほどにはスーパーハイデッカー構造を利用し、階下にトイレを設けています。
トイレは温水洗浄機能と水浄化機能付きとなっています。

トイレとは別に車内最後部には独立型のパウダールームを設けていることも特徴です。
鏡とLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)による明るい照明を備え付けています。

運転席の様子。
スイッチ類を機能的にまとめたラウンドフォルムコックピットとなっており、変速機は6速MT(マニュアルトランスミッション)です。
走行中の安全確認のため、各座席を確認するためのモニターを装備しています。
なお、乗客のプライバシー保護のため、座った状態では姿が映らないよう配慮されています。

ホテルのようなリラックス空間で移動時間も旅行気分を味わえるほか、夜行高速バスであることから1日の時間を有効に使うことができます。
奈良交通では「より多くのお客様にご乗車いただき、快適性、利便性を体感していただきたいです」とのことで、同社の高速バス事業の1つの目玉として位置付け、相乗効果により他の高速バス路線も一緒に盛り上げていきたいと考えています。

※ 協力 : 奈良交通株式会社
※ 写真 : 伊藤岳志
※ 文 : バスグラフィック編集部(宇佐美健太郎)
※ 感染症予防対策を行ったうえで、撮影時のみマスクを外して撮影を行っている写真がございます。

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