日本最大級のバスターミナル「バスタ新宿」徹底調査!

日本中の高速バスの起点が解決したこととは?

高速バスの運転手さんならば、一度は利用することになるであろう「バスタ新宿」。2016年4月にオープンし、1日の平均利用者数は2.8万人(平均便数は1470便)、1年間の施設利用者数はなんと約1000万人と日本最大級のバスターミナルとなりました。
そもそも、なぜ「バスタ新宿」が誕生したのか。
その1つの理由として、世界でも有数の利用者数を誇る新宿駅近辺の”高速路線バスの乗り場問題”がありました。新宿駅で降りた乗客は都庁付近や新宿駅新南口などの乗り場まで歩く必要があり、駅の利用客にとっては鉄道、高速路線バス、タクシーなど交通機関の相互乗り入れが大変不便だったのです。
また、新宿駅の南口に面する新宿跨線橋はなんと1925年に架けられたものがベースとなっており、老朽化と耐震性の面で架け替えが必要となっていました。そこで国土交通省が2000年から「新宿駅南口地区基盤整備事業」に着手。16年の年月をかけてバスタ新宿が誕生しました。
その結果、新宿駅近辺の高速路線バスの利用者数は2016年が1日最大3.8万人(オープン当初の4月は平均1.8万人)であったのに対して、2017年には4.1万人に大幅増。利用者の乗り換え移動満足度も開業前の49%から現在では83%にまで向上したことが調査(東京国道事務所が実施)の結果から分かりました。
では、なぜ、これほどまでに利用者の満足度が向上したのでしょうか。その理由の一端はバスタ新宿の施設の充実度も関係しているのです。

バスタ新宿は大きく分けて3つのフロアで構成されています。
2階は新宿駅の改札口など駅施設や歩行者広場、3階はタクシー等の乗降場、4階が高速路線バス乗り場です。各階からはバスタ新宿と同時期にオープンした隣接する複合施設”NEWoMan”とも直結。買い物やカフェなどを楽しみながら、気軽にバスを利用できるつくりになっています。
4階の高速路線バス乗り場には344席の待合室のほか、インフォメーションカウンターや自動発券機、ATMやコンビニ、授乳室なども設置。女子トイレには広々として清潔なパウダーコーナーや着替え室もあるので、長旅をしてきた利用客には嬉しいポイントでしょう!
実は開業当初はベンチの数やトイレの数も現在より少なく、利用者から不満の声もあったそうです。しかし、そのような意見を受け、待合環境の改善に取り組んで行くことで、利用者の満足度が向上。トイレの数が増えるのは高速路線バスの運転手さんにとっても、ありがたいですよね。
今後は満足度を向上させるために、空きスペースの有効利用(たとえば、カフェ、土産物店)を行う予定なんだとか。ますます便利になって利用者が増えそうです。
以上のような取り組みがバスタ新宿を通して行なわれた結果、高速路線バスにも嬉しい影響が出ています。都心から100km圏内の方面では利用者数が大幅に増加。特に山梨県の河口湖方面は1日あたりの乗客数が平均で775名、38%の増加につながっています。

ちなみに、利用者による年間の方面別人気ランキングは、1位が河口湖で約98万人、2位は大阪で約88万人、3位は箱根で約78万人。富士山にほど近い方面の利用者数が多いのは、海外からの旅行客の利用もあるのでしょう。
これからもバスの利用客の増加などに寄与してくれるであろうバスタ新宿。バスに携わる仕事を目指すなら、一度、見学してみても良いのでは!?
この記事をシェアしよう!
フォローする
FaceBookのフォローは2018年2月で廃止となりました。
フォローの代わりにぜひ「いいね!」をご活用下さい。