バスギア奈良交通自動車教習所 ~前編~
バス会社直営教習所でバスの運転教習!
奈良県内に路線網を張り巡らせるバス会社、奈良交通。同社が直営する「奈良交通自動車教習所」は、普通自動車から大型二種まで各種の運転免許取得に対応した自動車教習所です。奈良県唯一の大型二種、大型一種の指定教習所でもあります。設立は1980年で、今年で40周年。バス会社直営ということもあり、バス運転手志望者からの信頼は絶大です。
さて、どんな教習を行っているのでしょうか。技能教習の様子を見てみましょう。
定番?のS字走行
普通自動車の教習でも、きっと多くの方が難儀したであろうS字走行。車体の大きなバスではさらに細心の注意を払いながら運転する必要がありますが、基本は同じ。教習でしっかり腕を磨けば恐れることはありません。
コースは「大型曲線コース」と呼ばれる大型車専用のS字路を使います。このほかに「中型曲線コース」や「普通車用曲線コース」も用意されていますが、大型車専用のS字路があるのはさすがバス会社直営の教習所といったところ。
バスでのS字走行のポイントは、やはり車体の大きなバスならではのオーバーハングに気を配ること。バスの運転席は基本的に前輪より前に位置しているため、大型トラックの運転経験者でもオーバーハングの感覚はだいぶ差を感じるといいます。車輪の位置と、道路からはみ出る車体の位置をイメージすることが重要です。
バスの坂道発進は難しい?
こちらも普通自動車免許の教習でおなじみのコース。S字走行とともに免許取得の際の「難関」ですが、大型二種免許を取得しようとする人は普通自動車免許取得から3年以上経っているだけに、とくに日頃から車を運転している人はそれほど苦労しないでしょう。
奈良交通自動車教習所の坂道の斜度は約9%。100m進むごとに9m登る勾配で、角度でいえばだいたい5度です。この坂の途中で一旦停止し、再びスムーズに発進する教習を行います。
低速トルクが大きいバスとはいえ、この斜度で乗客に不快感を与えない発進はなかなか難しそうです。だからこそ教習所でしっかり学んでおくべきところといえるでしょう。
バスならでは!「路端停止」
これはバスならではといえる教習の1つ。路端停止(ろたんていし)とは、バス停への停車などで、道路左側に車両を寄せて停止することです。左側いっぱいに寄せる車両感覚はもちろんですが、発進時に車体後部を街路樹などに接触させないことも重要です。
教習コースの停止枠の前方上部には、停止車両や街路樹など路上の障害物を模したポールが設置されており、これにミラーや車体の左前部を接触させないように発進させます。また、オーバーハングの大きい車体左後部が、壁側のポールに当たらないようにする配慮も必要です。
今回はここまで。次回はさらに「バスならでは」の教習内容をご紹介します。
(文・編集:バスグラフィック編集部 / 写真:伊藤岳志)
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