バスギア奈良交通自動車教習所 ~後編~

バス停にぴったり停める「目標物合わせ」
バスの運転で重要なのが、乗客の乗降を安全・スムーズに行うために、バス停の所定の位置にバスをぴったり停めること。このための教習が「目標物合わせ」です。路肩に設置されたポールに対して、所定の位置にバスを停止させます。

奈良交通自動車教習所では、バス車体中央部の窓に設けられた幅約1mの枠内に、路肩のポールを合わせるという方法で「目標物合わせ」を行っています。まさにバスの運転教習ならではといえるメニューです。

乗用車の運転で駐車スペースにぴったり停められる人も、バスの運転席からバス停を確認してぴったり停めるのはなかなか難しいかも。信頼されるプロドライバーになるために腕をしっかり磨きましょう。

大きな車体で細い道へ…「隘路進入」
隘路(あいろ)とは、極端に幅の狭い道路のこと。その交差点をスムーズかつ確実に曲がるための教習が「隘路進入」です。
コースは隘路の交差点に右折進入する形となっており、右折しながら路面に描かれた道幅を表す黄色の点線内にバスの車体を収めつつ曲がる必要があります。前回紹介したS字走行と同様に、車輪の位置を予測しながら走るバランス感覚が要求されます。

大きな車体のバスだけに、教習の中でもなかなかの難コースのよう。取材当日の教習生は何度かの切り返しでやっと枠内に収めていました。

でも、何度も繰り返して車体感覚を身に着けることで、きっとスムーズに走れるようになるはずです。

教習車は本物の路線バスだった車両!
大型二種免許の教習で使う車は当然ながら大型バスです奈良交通自動車教習所では、本物の路線バスだった車両を使用しているのが特徴です。

車内は指導員用の座席や補助ブレーキを設けるなど教習用として改造を施していますが、運転席の周りなどは基本的に路線バス時代と同じです。実際に営業用として使われていたバスだけに、まさに実践的な教習ができそうですね。
さて、2回に分けてお届けした「奈良交通自動車教習所」のバス運転教習の様子、いかがだったでしょうか?奈良県やその周辺にお住まいの方はもちろん、バス会社直営の教習所だけに、バス運転手を目指す人なら要チェックです。
(文・編集:バスグラフィック編集部 / 写真:伊藤岳志)

この記事をシェアしよう!
フォローする
FaceBookのフォローは2018年2月で廃止となりました。
フォローの代わりにぜひ「いいね!」をご活用下さい。