ヤサカ流!プロのバス運転手を育成する研修現場に密着取材!
研修現場で奮闘する一人のバス運転手見習いの物語と共に実際の研修現場のリアルをレポートする。
私がバスギアの記者としてバス会社様の取材をするようになって、もうすぐ3年が経つ。これまで、たくさんのバス会社様の記事や求人原稿を執筆することを通して様々なバス会社様の採用支援をさせていただいてきた。そして、ようやく最近になりバス業界のことが分かってきたかなと感じる。
「バス運転手という仕事は“やりがい”“魅力”がある素晴らしい仕事ということ。」
同時にその事実をもっと多くの方に知ってほしいと思う。
今回は京都市南区に本社を構える老舗観光バス会社「ヤサカ観光バス」の新人教育現場に密着取材を行い、実際の観光バス運転手の新人教習がどのようなものなのかを記事を通して読者の皆様にお伝えしたいと思います。
今回フォーカスするのは令和2年1月9日、ヤサカ観光バスに入社した新人バス運転手“杉田さん”
旅行好きで、大型免許の資格を活かせる仕事に就きたいと考え、貸切バス運転手を目指す25歳の若者だ。
バス運転手になろうと思ったきっかけは前職の経験を活かせることと旅行が好きなこと。
前職勤務中、仕事を通じて大型免許から特殊免許まで多くの資格が取得できた。転職するにあたっては、大型二種免許を活かせる仕事で且つ、旅行好きでいろいろな観光地に行ける観光バス運転手を目指そうと考え、前職退職後に大型2種免許を取得した。
仕事としてバス運転手を目指すのは簡単ではなかった。
実はヤサカ観光バスに入社する以前に、他社のバス会社に就職したが3か月の研修期間を経て、本採用の試験で不合格になってしまった。大型二種免許の取得時は大型車両の運転は前職でもよくしていたし、大型二種免許の資格も車両感覚は全くの未経験者よりもつかめていたので比較的スムーズに取得できた。
しかし、バス運転手を職業として目指すのは決して簡単な道のりではなかったのだ。
挫折を経験した杉田さん。
それでも、バス運転手を目指したい。
前のバス会社での研修で技術不足は痛感した。それでも諦めきれなかったプロのバス運転手への道。ただ、このまま別のバス会社に入れたとしても同じ結果になるのは避けたい。
だから、まずは関西圏とその近隣の観光地を自家用車で回り駐車場の入り方や道を覚えることにした。その時、常に気を付けていたことはバスの運転手目線で運転すること。
この道路はバスが通れるのか。
この観光地の駐車場へはどうやって入るのか。
そもそも駐車はできるのか。
たくさんの観光地を回って少し自信が持てるようになってきたある日、プロの貸切バス運転手になるため、もう一度採用試験にチャレンジしようと決意した。
ヤサカ観光バスに入社する決め手は「ヤサカ観光バスで働いている人」に魅力を感じたから。
再チャレンジするにあたり、たくさんのバス会社の採用担当に直接話が聞けるバス専門の合同企業説明会を選んだ。
その会場で私の“貸切バス運転手として活躍したいという夢”に真剣に耳を傾けて聞いてくれたのがヤサカ観光バスの採用担当者だった。
過去に経験した挫折、今不安に思っていること、そのほかの話も全て親身になって聞いてくれた。その瞬間この会社はとても教育熱心な“自分に合った良い会社”なんじゃないかと感じたと語る杉田さん。
「当社では大型車の運転経験がない人や経験はあるけど運転技術が不足している人、全くの未経験者まで、これまでたくさんの人をプロのバス運転手に育ててきた実績があります。うちの研修を受けてプロのバス運転手として第一線で活躍している人材もたくさんいるから、杉田さんもきっと当社で活躍できると思う」
この言葉を採用担当者から直接聞けたことがどこか不安の残っていた自分の気持ちを大きく押してくれた。
その他にも、たくさんお話をする中でヤサカ観光バスで働く人たちの仲の良い雰囲気を感じ取ることができた。
それらすべてのことを丁寧に説明してもらえて再チャレンジに最適な会社だと実感できたのだ。採用試験も無事にパスし、いよいよ入社初日。
事務所に入った瞬間、バス運転手さん、事務員さん、ガイドさん皆さんが笑顔で挨拶を交わしている光景を見て、この会社に決めて間違いなかったと改めて自分の選択が正しかったのだと実感できた。
ヤサカ観光バスの研修は具体的で分かりやすい。
研修で指導運転手の教官からは、ここでハンドルを一回転半するスムーズに駐車場へ入れるなど、とても具体的な運転テクニックの指導をしてもらえたり、観光地に向かう時の走りやすい車線を教えていただいたり、走行中に有名観光地をアナウンスしているときは速度を落として走るとお客様も喜んでいただけるなど、お客様を乗せて走行している想定で、より実践的な指導を受けさせていただいている。
路上研修を通じて、愛情もって育てていただいていると感じて期待に応えたいと自分なりに精一杯努力を続けていると話す杉田さん。
共に働く同僚の存在が心の支えになる。
同じ時期に研修を受けている同期メンバーがいる。
研修時の不安な気持ちが分かり合えたり、走行後のルートの振り返りを地図で一緒に見て振り返りができたり、社内の人間関係なども気軽に聞けたり、ちょっとした事をすぐに相談できる。休憩中に他愛のない話をしてリフレッシュしたりもできるので同期がいることは心強いと感じている。
もちろん、運転手以外のスタッフとも話す機会があり事務員さんをはじめガイドさん、整備士さんみな温かく接してもらっている。先輩から声をかけてくれるのはとてもありがたいと感じている。
「今日はどこまで運転していったの?」
「○○まで行きました」
「あそこの駐車場の入り口は狭いから気を付けて!」
てな感じ。
教官だけでなく、みなさんで新人さん全員を育てていこうという温かい社風を実感できています。
今後の目標
毎日の小さな積み重ねを繰り返し、安全を最優先に多くのお客様に喜んでいただける運転手になりたいと思う。そのためにはまず、研修を無事に終えて独り立ちしたい。
ヤサカ観光バスならその夢が叶うと信じて今日も杉田さんは研修に励んでいる。
未経験から多くの観光バス運転手を誕生させたヤサカ観光バス。
指導教官に教育の秘訣を伺った。
平成3年入社 大学卒業後児童施設に8年間勤務。児童を送迎するバンを担当することがきっかけで児童が車に楽しそうに乗り込む様子や車内の楽しそうな雰囲気が気に入りバス運転手を志した。
多くの方を教官として指導してきた田村指導員。
指導員として心がけていることは。
運転手として必要なこと。
運転技術の取得、地図を覚えることなど様々ありますが、観光バス運転手として必要なことは先を予測することです。
道路状況は様々変化していきます。
駐車車両があったり、山道では見通しの悪いカーブの先に対向車が走っていたりする可能性があります。
早めの車線変更やコース取りなど予測しながら走らないと、慌てる場面が増えてしまうんです。
また、お客様を乗せて観光地を回っていると急遽、予定変更する場合もあります。
事前に予定ルートの近隣の観光地も把握しておくことが重要です。
常に先を予測して運転することが必要だと、研修では伝えるようにしています。
いまの若い方はナビに頼りすぎて地理を全く把握していない方が多い。
研修では観光バスの走りやすい車線など細部まで私が教えます。
研修現場密着レポート
「この先は左折専用レーンになっているから右に車線変更するんだ!」
「前方に駐車車両があるから対向車に気をつけて」
「この観光地の駐車場の入り口はチケット取るとき、屋根に当たらないように!」
教習中は具体的な指導が聞こえてきた。
普通免許しかない記者にとっては、バス運転手目線の教育現場は新鮮に思えた。
例えばこんな場面。
片側1車線の道路で駐車車両があった。
それを避けるために一時的に対向車線にはみ出さなければいけないのだが、必ず対向車があれば先に通過させる必要があるのだ。
決して、バスが先に行ってはいけないと指導されていました。
今回インタビューした、杉田さんはヤサカ観光バスの教育について感想をお聞きしたとき、最初に出た言葉は「ありがたい」だった。
その理由として挙げていたのが「温かさ」と「厳しさ」の両方あることだと言う。
優しい指導だけだとお客様の命を預かる身としては心許ない。
厳しさだけでは研修の緊張の中委縮してしまう。
運転技術だけでなく、地理や観光地の特徴、車線の走り方まで細かく指導してくれることが、「ありがたい」と言うことだった。
この両面があるから、新しい運転手が育つのだろうと私は思った。
田村指導員のお話もとても興味深い。
約30年近くバス運転手として勤務している中で、「この仕事を一度も辞めたいと思ったことがない」とおっしゃられたのだ。
バスの旅を楽しみにしているお客様を観光地にお送りするバス運転手の仕事は「毎日楽しくて仕方がない」そうだ。
例えば、きれいな紅葉で有名な京都市内の永観堂。
永観堂の正面にバスで入っていくととても綺麗な紅葉が見ることができるそうだ。
あふれかえる観光客を警備員が左右に誘導し、その中をゆっくりバスが入っていく。
それがとても気持ちのいいものだと笑顔で語っていただいた。
未経験だけどバス運転手になりたいと思っているアナタ。
そんなアナタにぜひチャレンジしてほしいと思う。
田村指導員が「毎日同じことがない、楽しい仕事」と語った観光バス運転手の仕事は本当に楽しい仕事なのだと思う。少しでも興味をお持ちの方はぜひ、ヤサカ観光バスの採用ページをご覧いただきたい。
協力:ヤサカ観光バス株式会社
ホームページリンク:https://www.kyotoyasaka.jp/
バスギアリンク(採用ページ):https://job-gear.net/yasakakankobus/
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