港ヨコハマの新シンボル、連節バス「ベイサイドブルー」登場!(1)
海沿いの観光スポットを網羅
「ベイサイドブルー」が走るのは、その名の通り横浜のベイエリア。横浜駅前を起点に、臨海部の観光スポットを経由して山下ふ頭までの約6kmを結びます。
ルートは横浜駅前発の下りと山下ふ頭発の上りで一部異なりますが、起点・終点を含めた停留所の数は上り・下りともに8カ所。赤レンガ倉庫や山下公園といった定番観光地のほか、ホールや会議場を備える「パシフィコ横浜」や「カップヌードルミュージアム横浜」、2019年10月に開業した客船ターミナルを主体とした複合施設「横浜ハンマーヘッド」付近などを経由します。
全線の所要時間は下りが34~39分、上りが37~49分。運行時間帯は10時台~19時台で、おおむね1時間当たり上下2便を運行。運賃は一般の市営バスと同じ大人220円・小児110円。臨海部のバスや地下鉄が利用できる1日乗車券「みなとぶらりチケット」(大人500円・小児250円)も使えます。
横浜駅から人気エリアへ一直線!
横浜といえばイメージは「海」。横浜ハンマーヘッドのオープンをはじめ、近年開発が進むみなとみらい21新港地区や赤レンガ倉庫、山下公園など、「水際線(すいさいせん)」と呼ばれる臨海部の海沿いは観光客に人気の高いエリアです。その一方で、水際線沿いの公共交通は多くなく、鉄道駅からも離れていることから交通アクセスの充実が課題となっていました。
「ベイサイドブルー」はこれらのエリアにある人気スポットに横浜駅から1本でアクセスできる交通機関として登場。臨海部の回遊性を高める切り札として期待を集めています。
横浜市の林文子市長は、運行開始前日の7月22日に開いた記念式典で「一度に多くのお客様を魅力あるエリアに運び、回遊性を高めることになる。ベイサイドブルーで横浜港の美しい水際線の景観と街めぐりを楽しんでいただきたい」とあいさつ。横浜市会の横山正人議長も「海沿いは今後ますます発展が期待される地域。ベイサイドブルーに乗れば、横浜駅から人気施設のすぐ近くまでアクセスできる」と述べ、街の新たなシンボルとなる交通機関に期待を示しました。
メタリックブルーのデザインが目印
車両は国産初の連節バス「日野ブルーリボン ハイブリッド連節バス」4台を導入。車体は港町ヨコハマにふさわしく、水面のきらめきを表現したというマットメタリックブルー1色にラッピングし、連節バスの2つの車体を連なる波に見立てたという白いシンボルマークをあしらっています。
デザインのコンセプトは「みなと横浜を感じながら、移動を楽しむ」。林市長は「移動手段というだけでなく、移動する間も楽しい乗り物ということで連節バスを導入したいと考えた」と説明しています。停留所も統一したデザインを採用し、わかりやすさとともに「ベイサイドブルー」のイメージづくりを狙っています。
車体の長さは17.99mあり、車体後部には「全長18m 追い越し注意」の文字が。日本では法規によって車両の長さは基本的に12mまでと定められているため、連節バスの運行にあたっては国土交通省による特例措置を受けています。定員は運転士を含めて113人(座席37人・立席75人)。交通局によると一般の路線バスの定員は約70人のため、約1.6倍の輸送力があります。
車内はフローリング調の床にシンボルマークをデザインしたグレーの座席が並び、落ち着いた雰囲気。車イス・ベビーカー用スペースも広々と確保しています。後車体の座席配置はメーカーのカタログモデルと一部異なっており、横浜市交通局の独自仕様です。連節バスの車内で面白いのはやはり連結部分。カーブを通過する際の動きは一般のバスでは見られません。乗車する際は、後車体に乗るのが楽しそうです。
いかがだったでしょうか。横浜を訪れたらぜひ乗ってみたい「ベイサイドブルー」。次回は、国産連節バスが選ばれた理由や運行を担う乗務員、運行開始までの経緯などをご紹介します。お楽しみに!
(文・編集:小佐野カゲトシ / 写真:『バスグラフィック』編集部)
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