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4台全てが出そろった奈良交通の特別仕様観光バス「四神(しじん)シリーズ」

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新型コロナウイルス感染症の拡大で観光業界は大打撃を与えられていることから、バス業界においても観光バス(貸切バス)が大きな影響を受けているのは連日の報道などで周知のことだと思います。しかし、観光バスを運行するバス事業者は手をこまねいているばかりではありません。自宅にいながらバス旅行気分が味わえるオンラインツアーを企画したり、バス愛好家向けに自社の営業所・車庫見学ツアーを積極的に催行したりするなど、昨年までは想像すらできなかったコロナ禍の中での新たなサービスが誕生し、注目を集めています。

一方で、おもに富裕層を対象としていた従来の高級志向の旅行も根強い人気があり、旅費の割引やクーポン券の発行などで観光事業を支援する政府の「Go To トラベル」が始まったことで、より幅広い層へニーズが広がっています。そのような高級志向のツアーには、豪華仕様の観光バスが使用されるケースが多くありますが、奈良県を中心に路線網を展開する奈良交通でも特別仕様の観光バスを2019年3月と20年2月に1台ずつ導入し、同社の「ビューティフルツアー・バスの旅」で運行して来ました。そしてこのたび、さらに2台の新車が一度に導入され、9月29日に式典が行われたことから、ここで詳しく見ていくことにしましょう。

東西南北の四方を守る守護神の名がバスの名に

奈良交通でこの2年間で導入された4台の特別仕様の観光バスは、「四神シリーズ」と呼ばれ、豪華で落ち着いた内外装を誇る車両です。四神とは古墳の壁画などで知られ、東西南北の四方を守る守護神のことで、東が「青龍」(せいりゅう)、西が「白虎」(びゃっこ)、南が「朱雀」(すざく)、北が「玄武」(げんぶ)となり、4台にはそれにちなんだ名前が付けられています。まず2019年3月に導入されたのは「朱雀」で、車体全体がトリノレッドパールで彩られていることが特徴です。次に2020年2月に導入されたのは「青龍」。こちらは「朱雀」とは対照的に、車体全体がブルーメタリックで彩られています。そしてこの9月に導入された2台が「玄武」と「白虎」で、それぞれ車体全体をボルドーマイカメタリックとプレミアムホワイトパールで彩り、1台1台が異なるボディカラーとなって全4台が出そろいました。これをもって四神シリーズが「完成」したことになります。

先進の安全装備と快適さを追求した仕様

四神シリーズの車両は4台全てが先進の安全装備はもちろんのこと、快適さを追求した仕様を持っています。座席は通路をはさんで2脚ずつのリクライニングシートが左右に並ぶ、いわゆる「4列シート」仕様ですが、前後1列あたりの座席数は8脚となり、前後の座席間隔が新幹線の座席並みにゆったりと取られています。座席は補助席なしの幅広シートで、足元にはレッグレストとフットレストを備えているうえ、スマートフォンやモバイル機器などの充電が可能なコンセントやUSBポートも装備しています。また、車内にはWi-Fiも完備しているため、楽しい旅の途中で写真などをインターネットのSNSで紹介することも容易にできるでしょう。車内最後部にはパウダールームを兼ね備えた全室構造の大型化粧室が設けられており、大きな円型流し台と温水洗浄付きトイレがあります。また、プラズマクラスター空気清浄機を装備しているほか、このコロナ禍で心配な車内の空気についても気配りがなされており、運転席廻りの飛沫防止シート、自動手指(しゅし)消毒器も備えています。そして、万が一の際の安全装備として、EDSS(Emergency Driving Stop System :ドライバー異常時対応システム)を装備しており、運転席と最前部座席上の荷棚部分に作動用の非常ボタンが取り付けられています。

「玄武」と「白虎」ならでの特徴は?

車内仕様としては4台とも基本的に相違がない四神シリーズの車両ですが、今回導入された「玄武」と「白虎」ならではの特徴として挙げられるのは、やはり車体のカラーリングデザインとそれに合わせた車内の座席上張りの色柄、内装色です。「玄武」のボディカラーのボルドーマイカメタリックは、最も位の高い臣下のみに着用が許された「至極色」です。そこに永遠の繁栄、金運が良くなると言われている亀甲模様があしらわれています。内装と座席は濃い紫色が基調となっています。一方、「白虎」のボディカラーはプレミアムホワイトパールで、そこに大地を翔(か)ける勇猛な虎(とら)の姿をイメージしたデザインがあしらわれています。車内の座席上張りには虎の毛並みを表現したストライプを大胆にあしらっており、内装は暖色系でまとめられています。このほか、4台それぞれの個性として挙げられそうなのが、車内のピラー(窓柱)に装備されたアンドン調の補助灯のカバーデザインです。なお、「朱雀」と「玄武」は最後部座席直前の座席を横向きに回転することができ、テーブルを備え付けることでサロン席としての利用が可能ですが、天井に装備された折りたたみ式大型液晶モニターは2基となっています。「青龍」と「白虎」の座席はサロン席にはできない仕様ですが、天井の折りたたみ式大型液晶モニターは3基となっています。

乗務員を含めた乗車定員は4台とも34人で諸元は以下のとおりとなっています。4台ともジェイ・バス製ボディ架装の、いすゞガーラ2RG-RU1ESDJスーパーハイデッカーです。

●「白虎」 京都200こ・・・7 2020年9月4日登録
●「玄武」 奈良200う・・・7 2020年9月4日登録
●「青龍」 大阪200を・・・7 2020年2月10日登録
●「朱雀」 奈良200あ・・・7 2019年3月11日登録

(文:『バスグラフィック』編集部 / 写真:伊藤岳志)

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