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高速バスで届いた新鮮な食材による料理が堪能できるお店

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近年注目を集めている、バスの「貨客混載」。車内の空きスペースやバゲージルーム(床下荷物室)に農産物や荷物などを積んで輸送することで、物流業界のドライバー不足などの問題を解決しようという取り組みです。『バスグラフィック』誌面でも、2019年10月3日発刊のVol.40に掲載した東京都市大学都市生活学部西山俊樹准教授の連載コラムにて紹介しています。その「貨客混載」を生かしたユニークな店舗が、東京都新宿区に誕生しました。「バスあいのり3丁目テラス」という店名で、高速バスにより全国各地から届く食材を使った料理を楽しめることが大きな特徴です。今回はまず、その店舗の様子をご紹介しましょう。

新宿駅近くにある大都会のオアシス

「バスあいのり3丁目テラス」は2020年9月4日、東京都新宿区新宿3丁目にオープンしました。JR新宿駅東口から徒歩5分ほどの距離で、紀伊国屋書店新宿本店や伊勢丹新宿店が建ち並ぶ新宿通りから1本奥に入った路地裏。植栽とぬくもりが感じられる木製の塀で囲まれたオープンテラスの店舗はまさに大都会のオアシスといった感じです。敷地に入ると砂利敷きの1階テラス席が広がり、その奥にはウッドデッキ上に設けられた2階席と厨房・ドリンクカウンター屋上にある3階テラス席があります。ひとたび足を踏み入れるとここが新宿であることを忘れてしまうくらい、ホッとした雰囲気に包まれています。

高速バスで届いた食材を使った絶品グルメ

それでは「バスあいのり3丁目テラス」で提供しているメニューを見ていきましょう。今回の取材はオープンから約2カ月経った11月4日。この際は岩手県遠野市から直送された食材を使った季節限定メニューが各種ありましたが、11月いっぱいで次のメニューに切り替わることから、定番メニューのボウルランチを中心に紹介していくことにします。

「安芸(あき) 釜あげしらすと白身フライごはん」は、高知県安芸市から琴平バスが運行する高速バスで届いた新鮮でふわふわのしらすと、サクッとした白身魚フライが絶妙なハーモニーを奏でる逸品で870円(税込)。飲み物は瀬戸内レモネードのホットで490円(税込)です。

「安芸 釜あげしらすごはん」は、1日30食限定で500円(税込)と本当にお得な一品。こちらも安芸市から届いたふわふわのしらすを使い、ご飯のうえにたっぷりと盛り付けられています。

「宇和島鯛(たい)めし ~だし茶漬け~」は、だしをかけて食べる愛媛県宇和島の郷土料理で1,250円(税込)。伊予鉄バスの高速バスで届いた鯛を使っています。

肉料理もあります。「いわて牛の焼き肉ごはん」は、豊かな自然の中で育った高級和牛を使用した焼き肉丼で、1,200円(税込)。ジェイアールバス東北の高速バスで届いた食材を使っています。

お酒にもよく合うアペタイザー(オードブル)も充実。ジューシーな「広島ハーブ鶏のつくね串 3本」は1,080円(税込)、サクサクな食感がやみつきになる「瀬戸内藻塩のポテトフライ」は610円(税込)で、これらも各地から高速バスを使って届いた食材を使用しています。

もちろんデザートも、高速バスで各地から直送した品や届いた食材を使ったメニューを提供しています。「道の駅ましこ とろたまぷりん」は、栃木県芳賀(はが)郡益子町(ましこまち)の「道の駅ましこ」の人気商品として知られる、卵1個を丸ごと使用した濃厚なプリンで、400円(税込)。茨城交通の高速バスで運ばれてきます。「城崎(きのさき)米粉チーズケーキ」は、兵庫県からWILLER EXPRESS(ウィラー・エクスプレス)の高速バスで届いた米粉を使ったメニューで、550円(税込)です。

今回は「バスあいのり3丁目テラス」の様子とメニューをご紹介しました。なお、取材時には新型コロナウイルス感染症拡大の影響により運休している高速バス路線が多くあり、記載した事業者とは別の事業者で輸送したり、暫定的に宅配便などで輸送したりしている場合もあります。次回は貨客混載の取り組みとその効果について見てみましょう。

※ 文:『バスグラフィック』編集部
※ 写真:伊藤岳志
※ 撮影時のみマスクを着用しておりませんが、感染症対策を行い、可能な限りソーシャルディスタンスを保って取材しています。

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