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三重交通の連節バス「神都ライナー」に乗ってみよう!

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2020年10・11月に三重交通に導入された2台の国産新型ハイブリッド連節バスいすゞエルガデュオLX525Z1は、「神都ライナー」と命名され、12月下旬よりプレ運行を開始しました。YouTubeの『バスグラフィック』公式チャンネル「バスグラフィックTV」動画番組で速報しましたが、本コンテンツでも前編と後編の2回に分け、取り上げることにいたします。前編では「神都ライナー」の外観を中心に紹介し、命名の由来やカラーリングデザインのポイントもお伝えいたしましたが、後編では「神都ライナー」に乗り込み、車内をじっくりと見ていくことにしましょう。

いざ「神都ライナー」の車内へ!

ここで紹介する「神都ライナー」は2台あるうちの1台で、2020年10月14日登録の「伊勢志摩210あ1001」社番1001です。三重交通初、三重県内のバス事業者初の連節バスとなりましたが、11月25日登録の「伊勢志摩210あ1002」社番1002も基本的に同じ仕様です。前車体の前方から後車体の後方へ向かって車内を眺めると全長約18mもある車体が本当に長く感じられます。後車体にある後扉以降は段上げ構造となりますが、それまでは前車体から続く長いノンステップエリアとなります。座席レイアウトは一部を除いて基本的には前向き座席で構成されています。前車体の運転席側にある右後前輪タイヤハウス上の座席は背中合わせとなり、扉側にある左後前輪タイヤハウス上は物置き台となります。

前車体の中ほどの扉側の座席は1人掛け前向き座席が3脚あり、優先席となっています。運転席側は1人掛け前向き座席が4脚ありますが、はね上げ式となっており、はね上げると2台分の車イススペースが現れます。また、これらは優先席と同義の「善意の席」となっています。中扉前の床面は、近年の大型路線バスでよく見られるようになった反転式スロープが設けられています。



連節バスの神髄、後車体の車内は?

電車のようなホロで囲まれたターンテーブルを渡ると後車体になります。ここが連節バスを最も実感する部分ではないでしょうか。後扉直前にある座席は1人掛け前向き座席が1脚のみ。運転席側の段上げエリア手前までは、2人掛け前向き座席が3脚並んでいますが、標準仕様では前方から2脚が1人掛け前向き座席となります。横浜市交通局(横浜市営バス)へ先に導入された国産新型ハイブリッド連節バスの日野ブルーリボン ハイブリッド連節バス“BAYSIDE BLUE”もこれら2脚を2人掛け座席としていましたので、「神都ライナー」も同様に事業者が選択したオプション仕様の座席と言えるでしょう。段上げ部分以降は、運転席側、扉側ともに最後部座席直前の座席とその前の座席が向い合わせの格好になります。最後部座席は機器の都合などから3人掛けです。なお、後扉前の床面にはもとから反転式スロープは設定されていません。

連節部のターンテーブル表面は細かな波状の処理となっており、すべりにくくなっています。この下にある前車体と後車体をつなぐ連節器はドイツのヒューブナー製です。ホロは断面がキノコのような形状で、左右ともに前車体と後車体の手スリの間をガードチェーンで結んで安全性を高めています。



コックピットと先進の安全増備

最後に運転席の様子を見てみましょう。運転席のステアリングホイール(ハンドル)、メータークラスター(計器盤)、各計器類のデザインは、大型路線バスいすゞエルガ ハイブリッド/日野ブルーリボン ハイブリッドとほぼ同じです。変速機は7速AMT(Automated Manual Transmission:自動変速マニュアルトランスミッション)で、大型路線バスいすゞエルガ ハイブリッド/日野ブルーリボン ハイブリッドのAMTが主として3速発進であることに対し、2速発進となることが大きな特徴です。

先進の安全装備も充実。近年導入されているバスでよく見かけるようになったEDSS(Emergency Driving Stop System:ドライバー異常時対応システム)を備え付けていますが、2019年5月27日に、国産新型ハイブリッド連節バスとして、いすゞエルガデュオ/日野ブルーリボン ハイブリッド連節バス販売の発表が開始された時点では、世界で初めてEDSSを標準装備した路線バスとしても大きな話題となりました。EDSSは非常停止ボタンを押すと軽微制動が始まり、乗客と車両周辺に音と光で異常を知らせながら3.2秒後に停止制動がかかり始めて停車します。誤ってボタンが押された場合など、3.2秒前までであれば運転席側で解除することができます。非常停止ボタンは運転席のステアリングホイール脇と運転席直後の仕切りに備え付けられています。また、連節バスであることから後車体最前部のピラー(窓柱)にも備え付けられています。なお、その近くには緊急時に乗務員と通話することのできるインターホンも備え付けていますが、こちらは連節バスならではの装備となります。

★YouTube「バスグラフィックTV」で「神都ライナー」の動画番組好評公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=KUPveu-HXjQ

※協力:三重交通株式会社
※写真・文:宇佐美健太郎(『バスグラフィック』編集部)
※掲載写真は本コンテンツや動画番組使用を条件に事業者の特別な許可を得て撮影したものです。掲載車両の営業所・車庫内での撮影要望や運行状況などのお問い合わせを事業者へ行わないようお願い申し上げます。

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