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沖縄本土復帰50年 令和の時代も地域の重要な足であり続ける沖縄バス(運転手採用紹介編)

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戦後、アメリカ合衆国の施政権下に置かれていた沖縄は1972年5月15日、本土復帰を果たしました。2022年の今年はそれから50年目にあたります。そして、当時も今も沖縄県全域に路線網を展開し、地域の重要な足を担(にな)っているのが沖縄バスです。観光大国とも言える沖縄県には、観光バスを運行する貸切バス事業者が大小多数ありますが、路線バスを運行している大手事業者は4社で、そのうちの1社が沖縄バスとなります。前回の読谷村(よみたんそん)のコミュニティバス「鳳(おおとり)バス」の旅に引き続き、今回も沖縄のバスの話題をお届けしますが、令和の時代の沖縄バスをクローズアップし、運転手採用と新設営業所について、2回に分けて紹介します。

沖縄の大手バス事業者「沖縄バス」とは?

沖縄バスは沖縄県那覇市泉崎に本社を構えており、2022年4月1日現在、貸切バス(観光バス)57台、一般乗合バス186台を保有し、従業員数は380人の沖縄県の大手バス事業者です。バスを運行する組織としては大きく分け、貸切バス運行を行う観光部と路線バス運行を行う輸送部があります。バスが留め置かれているのは、新設の豊見城(とみしろ)営業所をはじめ、糸満(いとまん)、読谷(よみたん)、屋慶名(やけな)、名護(なご)、南城(なんじょう)の5つの出張所です。観光部は豊見城営業所を拠点にしており、貸切バス予約センターを開設しているほか、本社内の定期観光バスのりばや那覇バスターミナル内の空港リムジンバスセンターの営業も行っています。輸送部は豊見城営業所を拠点にしており、バス運転手は全て輸送部の所属となります。なお、車両の点検・整備を行うのは車両部となり、整備工場を豊見城と名護の2カ所に設けています。

安全・円滑・快適な運行を目指すことは各社同じ

沖縄バスの営業キロは2022年4月1日現在、543.95kmと、県内ほぼ全域に路線網を展開していますが、路線バスの毎日の運行を支えているのが運転手です。同社には女性を含め232人の運転手が活躍していますが、何よりも安全を優先し、快適で円滑な運行を行うという乗務内容は他の事業者と変わらず、ゆったりとした時間が流れているイメージの南国沖縄だからという例外はありません。しかし、沿線には美しい海と空が広がるところがあり、情にあふれる人々とのふれあいも感じながら沖縄バスのハンドルをにぎって運転手になってみたいという方がいらっしゃるかもしれません。

沖縄バスのハンドルをにぎるには?

そこで今回、もし沖縄バスの運転手になるとしたら、どうすればいいのかをたずねてみました。同社での採用は、大型自動車第二種免許取得者は嘱託(しょくたく)運転手から、未取得者は養成運転手からのスタートとなります。応募に際し、学歴や性別は問わないものの、大型自動車第二種免許取得者もしくは普通自動車第一種免許取得から3年以上の人が応募条件となります。募集時に開設される採用情報サイトでのエントリーや本社総務部への電話応募での受付となります。そして、履歴書送付後の書類選考と面接を経て、採用が決まれば沖縄バス乗務への第一歩となります。
沖縄バスでの乗務の入口は嘱託運転手と養成運転手の2つですが、それぞれどのようなものなのか、これから見ていくことにしましょう。

運転手への入口の一つ「嘱託運転手」

すでに大型自動車第二種免許取得済の嘱託運転手は、正社員登用を前提とした1年契約となりますが、配属された営業所が管轄する路線をひととおり覚えたり、知見や技術を磨いたりして、おおむね1年程度で正社員運転手になります。

嘱託運転手の選考については、書類選考と面接で志望動機や熱意が認められると、実技試験があることがポイントです。大型路線バスタイプの訓練車を使用し、南城市内の指定されたコースを走行しながら、運転技能はもちろんのこと、交通法規の遵守や徹底した安全確認の履行をチェックされます。路線バス運転手を希望する場合はそれに加えて、マイクや放送機器などの操作についてもチェックされます。

ただ、試験前に試験官が車内マイクを活用しながらデモンストレーション走行を行ない、危険箇所や走行時に注意すべき点をレクチャーするほか、アドバイスを行ったり運転の練習時間を設けたりするなど、無事に合格するようフォローを心掛けています。なお、コース途中には沖縄県内有数の急こう配である、新里坂(しんさとびら)での坂道発進のチェックが組み込まれているとのことです。
実技試験をクリアしたら、就職申込書、住民票、運転記録証明書などの書類提出や健康診断の受診、自動車事故対策機構実施の運転適性診断(初任診断)を行い、問題がなければ晴れて入社となります。

入社後約1カ月は研修期間となりますが、最初の4日間は本社での座学研修を受け、バス運転手としての基礎知識を学びます。続いて、車両の日常点検訓練を3日間行います。整備スタッフ指導のもと、バスの構造や多種多様な機器類の操作方法を学んだうえ、日常点検要領も学びます。また、車イス利用の乗客への対応訓練も行います。研修最終日には日常点検の実技試験があります。日常点検訓練を修了するといよいよ実技訓練。コミュニティバス運転手採用を除いて、読谷系統と屋慶名系統の走行訓練からスタートします。ここで、指導員とともにルートとバス停を覚えつつ、運転手としての基礎をしっかり学んでいきます。

もう一つの運転手への入口「養成運転手」

一方、大型自動車第二種免許未取得者は養成運転手での採用となります。1日でも早く大型自動車第二種免許を取得することが第一の目的です。
養成運転手はまず、豊見城(とみぐすく)市の壷川(つぼかわ)自動車学校、うるま市の北丘(きたおか)自動車学校、名護市の名護自動車学校のいずれかのうち、自宅最寄りの教習所に入学し、大型自動車第二種免許取得に挑(いど)みます。そのため、選考では家族など保証人になってもらう人を2人立てます。

その後、養成運転手応募者、保証人、採用担当者の3者面談を実施し、事業者側から制度概要や仕事内容の説明、就労にあたっての不安や疑問の聞き取りなどを行います。このことは家族など身近な人の理解と応援を取り付け、早くステップアップしていく欠かせないプロセスとなっているとのことです。
面談をクリアし、入社が決まったら、就職申込書、住民票、運転記録証明書などの書類提出や健康診断の受診を行った後に自宅最寄りの教習所へ入学します。

教習所通学時は教習前と帰宅前に最寄りの沖縄バス営業所へ出向いてタイムカード打刻を行います。このことは、現場の運転手はもちろんのこと運行管理者やスタッフとのコミュニケーションを図る目的もあり、大型自動車第二種免許取得へのモチベーション維持にもつながるとのことです。
教習所では学科・実技教習を受講しますが、実技教習が混み合っていて受講できない時は最寄りの営業所内で休車中のバスを使った車庫入れの練習を行ったり、営業中のバスに同乗してルートやバス停の場所を覚え、運転手の仕事を身近で見学したりします。

教習を終え、卒業検定・免許試験に合格し、晴れて大型自動車第二種免許を取得したら、沖縄バスでの採用技術試験を受けます。ここで合格すれば雇用契約を養成運転手から嘱託運転手に変更、一般採用の運転手と同条件でバス運転手の仕事が始まります。なお、沖縄バスの場合、大型自動車第二種免許取得のため要した教習所代金を立て替えという扱いにしているため、毎月の給与から36分割で控除するものの、支払い終了時には奨励金として20万円を支給しています。

今回は沖縄バス運転手の採用の具体的な流れを紹介しましたが、当然、事業者によって制度やプロセスが変わってきますので、一つの事例として参考にしていただき、応募を考えている事業者があれば、ホームページを調べたり、採用担当者に問い合わせたりして、それぞれの事業者の状況を把握(はあく)して下さい。

※ 協力・写真(特記以外) : 沖縄バス株式会社
※ 文 : バスグラフィック編集部(宇佐美健太郎)

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