路線バスを改造!? 近鉄バス独自の研修制度を突撃取材!! その鍵を握るのは「安全運転訓練車」でした。
●モバイル型アイマークレコーダー
記者「教習生がちょっと変わった帽子を被って運転していますが!?」
教官「実はこの帽子、目線を認識できるカメラがついています。いままで教習生がどこに注意しながら運転してるかは顔の向きや視線でしか分からなかったのが、アイマークレコーダーを装着すれば運転中の目線や注視度をカメラで捉え全て記録できるようになったんです!」
記者「どこを見ているか、データとして表せるってことですか!?」
教官「そうなんです。未経験の方は運転の際、前ばかりに意識が集中してしまいます。」
記者「え!? 私も前を見て運転してます…」
教官「普通は80%ぐらい前方に注意しながら運転しますよね?バスでは逆なんです。前は20%、残りの80%はミラーを使い自分が見えていない所を注意しなければなりません。」
記者「80%もですか!?」
教官「実際に路上に出ると急な割り込みやバイク・自転車・歩行者などが飛び出してきたり、自分の見えていない所に危険が潜んでいるんです。だから11個のミラーを使い常に確認することが大事です。危険を察知するための目の動かし方や、どこに気を付ければいいかなどを指導しています。」
記者「目の動かし方ですか。」
教官「自分の目の動かし方を客観的に見てもらうのが一番早いです。未経験の人は前ばかり見てるのが一目瞭然で分かりますよ!」
記者「見て分かるっていうのは教習生にとっても嬉しいですね。」
●安全運転確認装置
記者「この装置は何ですか?」
教官「集中卓上スイッチといって、お客様に見立てたフラグや各部のLEDランプを操作して教習生の注視度を確認しています。」
記者「LEDランプがこんなにも沢山あるんですか!」
教官「バスの前面、左右側面、車内、扉付近などに設置してます。発車時や左右折時の前方・側面の確認に加えて、車内にも気を配る必要がありますからね。」
記者「ランプが点灯していることに気が付くかどうか?確かめるんですね!」
教官「いわばトラップです(笑)。見ていても気が付かなければ意味がありませんから。」
記者「急に席を立ったり、お年寄りや小さなお子さんも乗車されますもんね。」
教官「そうですね。一番危険な「立ち上がる」「座りかける」その瞬間を見ているかどうかが重要なんです。気付いていれば座るまで待ってから発進するなど対処できますから。」
記者「まんべんなく全てのミラーを見られるようになってこそプロなんですね。」
●運転特性のフィードバック
記者「こちらの大きなモニターは何ですか?」
教官「このモニターでアイマークレコーダーの映像を確認できるんです。自分の運転姿勢やどこを見て運転していたか、すぐに振り返りができます。」
記者「足元の映像もあるんですね!」
教官「遠赤外線カメラで乗務員の足元を映像に記録し、ペダルの踏み方をチェックし指導しています。」
記者「ペダルの踏み方とは具体的にどういった事ですか?」
教官「飛出しなど、とっさの瞬間に少しでも早くブレーキを踏めるようにするため、足は基本ブレーキを支点にアクセルを踏むように教えています。ただ、口で注意しただけでは分からないので、録画して映像を見ながら指導しています。」
記者「事故を防ぐためには、細かいところまで注意が必要なんですね。」
●教官用補助ブレーキ
記者「補助ブレーキもついていますね。」
教官「教習生がカーブを曲がる時など内輪差に慣れていないので、モニターで確認しながら危ない時はすぐに私たちが安全確保のため補助ブレーキを踏みます。」
●エコドライブ
記者「このメスシリンダーはエコドライブ教習ですね!やっぱりエコドライブすると違いますか?」
教官「全然違いますよ!例えば1周3キロのコースを普通に運転して、燃料消費量を確認します。次に、同じコースをエコドライブを駆使して運転すると1周目の半分位の燃料で同じコースを走れます。」
記者「エコドライブを意識して走るだけで、そんなにも違うんですね!! 3本目は何を比べるんですか?」
教官「指導係と教習生と同じコースをエコドライブで走り、どれだけ燃料消費量が異なるかを比較します。」
記者「同じ条件で走った時の違いが見て分かるので、エコドライブの重要性を実感できますね!」
●「目で見て分かる」根拠のある指導
可視化による参加型教育の実践、運転技術の向上や危機感受性の訓練を目的とし、平成29年4月に導入された「安全運転訓練車」。死角を完全に無くすため11台のカメラを設置。
アイマークレコーダーや遠赤外線足元カメラなど最新機能が備わっており、改造費だけで○千万円!との噂も…。
一番の特徴は、頭で分かっていても出来ていないこと、見ているつもりでも気付いていないことを可視化し、一人ひとりの運転特性に合わせた指導ができることです。
「安全運転訓練車」での教習が終わった後も、また一段階上のレベルの教習がはじまります。
経験のない方もブランクのある方も、研修制度が充実している近鉄バスなら安心して挑戦できるのではないでしょうか?
この記事をシェアしよう!
フォローする
FaceBookのフォローは2018年2月で廃止となりました。
フォローの代わりにぜひ「いいね!」をご活用下さい。