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四国初の燃料電池バス[前編]

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水素をエネルギー源にして発電し、電車のようにモーターで走行する電動バスが燃料電池バスです。「FC(Fuel Cell)バス」と呼ばれることもあります。
2018年にトヨタSORA(ソラ)が市販化され、東京都交通局(都営バス)が本格導入したことをはじまりとして、現在では各地の事業者が導入しています。ただ、燃料となる水素の充填(じゅうてん)施設が少ない問題もあり、導入事業者は東京や大阪の大都市圏が中心です。
そのような中、中国・四国エリアでは初めてとなる燃料電池バスを徳島バスが導入しました。今回は期待を一身に背負って活躍する徳島バスのトヨタSORAを紹介します。

四国初の燃料電池バスの営業運行は?

徳島バスは徳島県内に路線網を展開しており、同県と京阪神エリアを結ぶ高速バス、徳島駅と徳島空港を結ぶ空港バス、貸切バスを運行しています。
同社では2021年12月1日より、2台の燃料電池バスを使った営業運行を始めました。
中国・四国エリアの事業者では初の導入・営業運行となったため、大きな注目を集めました。燃料電池バスは徳島駅前と鳴門(なると)公園を結ぶ「鳴門線」で、1台につき1日3往復するダイヤを運行しています。

徳島バスに燃料電池バスが導入された理由は?

徳島バスでは2023年度までの温室効果ガスの排出削減計画を公表、環境保全に積極的な取り組みを行っており、徳島県の掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に向け、「徳島県水素グリッド構想」の推進に呼応する形で、多客路線である「鳴門線」に燃料電池バスを導入しました。
また、徳島県では2015年10月に、水素社会の実現に向け、エネルギーの地産地消や、災害時における非常用電源としての活用方針などを盛り込んだ「徳島県水素グリッド構想」を策定し、水素エネルギーの普及啓発をはじめ、県内の水素需給拡大に積極的に取り組んでいました。
2017年7月に燃料電池バス導入に向けた検討会を設置し、徳島バスも立ち上げ当初から参画。試乗会や実証運行を実施し、本格導入と営業運行にこぎ着けました。

導入当初とはカラーリングデザインが異なる?

徳島バスの燃料電池バスは同型2台、鳴門営業所に所属しています。
いずれも車種・型式はトヨタSORA ZBC-MUM1NAEで、登録ナンバーは「徳島230あ2104」と「徳島230あ2105」です。両者とも2021年9月15日登録となっています。カラーリングデザインは同社の路線バスで採用されている基本的なものを、車体のデザインに合わせて若干アレンジし、白をベースに濃いピンクと淡いブルーのラインを配しています。車体両側面後方には徳島の”T”をアレンジしたデザインも描かれていますが、営業運行開始前に、徳島県と連携して県を挙げて取り組む「水素立県とくしま」をPRするラッピングが施されています。
大きな期待が寄せられる燃料電池バスを「走る広告塔」とみなし、「グリーン社会の実現」に向けた普及啓発を目的とするデザインが描かれています。

クリーンで災害時にも役立つバス

トヨタSORAは事業者による大きな仕様の違いがないことが特徴ですが、徳島バスの車両も外観はカラーリングデザイン以外、すでに導入されて活躍する他事業者のトヨタSORAと大きな差異は見られません。
フロントデザインもリアデザインも未来的で、中扉は車外へ押し出されて開くアウタースライドドアを採用していることが、他の車種には見られない特徴です。
中扉には車イス乗降用の反転式スロープを装備しています。

ディーゼルエンジンはなく、その代わりに後輪近くに最高出力113kW/154psの4JM-4JM型モーターを2基搭載しており、それによって走行します。

後面には最高出力9Kwの外部電源供給システムのコネクターを装備しており、災害時は避難所などへ電気を供給することもできます。燃料となる水素は1日1回、全国初の製造・供給一体型となる東亞合成の水素ステーションで充填しています。

次回は四国初の燃料電池バスの車内に潜入します!

※協力:徳島バス株式会社
※写真:伊藤岳志
※文:バスグラフィック編集部(宇佐美健太郎)
※本項で公開している写真は記事制作を条件に事業者の特別な許可を得て撮影したものです。
記事中の車両の営業所・車庫内での撮影要望を事業者へ行わないようお願い申し上げます。
※ 燃料電池バスの運行状況につきましては、徳島バスホームページをご確認下さい。
 https://www.tokubus.co.jp/

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