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羽田空港の「制限区域」をバスでドライブ、はとバス新コースはこうして実現した[前編]

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東京観光の代名詞としておなじみの「はとバス」。
都内や横浜を中心にさまざまなコースがありますが、6月25日から新たに加わったのが「羽田空港ベストビュードライブ」です。
許可された車両しか入れない空港の制限区域内を2階建てバスで走行し、離着陸する航空機などを間近で見られるというこのコース。実は、はとバスが羽田空港の制限区域内を走るのは同社の創業以来初です。
前編の今回は、コースの概要と実現に至るまでの経緯を企画担当者へのインタビューを交えて紹介します。

3.8mの高さから制限区域を見学

「羽田空港ベストビュードライブ」は、通常は入ることのできない滑走路付近など、空港の制限区域内を2階建てバスの車窓から楽しむツアーです。
発着地は京橋駅前の「京橋エドグラン」1階バス乗り場。まずここから一般の観光バスに乗って羽田空港へ向かい、そこで2階建てバスに乗り換えます。

制限区域内を走るのは2階建てオープントップバス、または屋根付きの2階建てバス。
貴重品類を配布される透明ビニールバッグに入れ、セキュリティチェックを受けて2階建てバスに乗り込むといよいよ制限区域へ出発です。高さ3.8mのバスの車窓からは、空港ターミナルのボーディングブリッジ(搭乗橋)の下や行き交うさまざまな地上支援車両など、通常は入ることのできない制限区域内の様子を間近に見られるほか、駐機場や滑走路付近などでは写真撮影のための停車時間も。
オープントップバスの場合は停車時に屋根の幌を開放するため、駐機している航空機や離着陸シーンの迫力をまさに肌で感じられます。(*保安上の理由で停車しない場合もあり)

約70分の制限区域内ドライブのあとは、「羽田エクセルホテル東急」のレストランにて、チキングリルをメインとしたオリジナルメニューの食事。その後再び一般の観光バスで京橋エドグランに戻り、約4時間10分のツアーは終了です。

運行は土・日・祝に1日3便で、予約はWeb限定。旅行代金は大人1人1万3000円です。

「創業以来初」なぜ発案?

はとバス創業以来初という、空港の制限区域内を走るこのコース。どんな経緯で実現したのでしょうか。
企画を担当した同社観光バス事業本部旅行事業部・企画手配課長の鹿島輝(かしま・あきら)さんに聞きました。

――羽田空港の制限区域内を走るという企画はどのようにして生まれたのでしょうか。

鹿島:
乗り物好きな社員が多いこともあって、以前から「空港内を走れたら面白いだろう」「実現したらお客さまに喜んでいただけるのではないか」という話はありましたが、恐らく相当ハードルが高いだろうなと考えていました。
具体的に動き出したのは昨年(2021年)の12月ごろです。コロナ禍で観光全体が厳しい状況にある中、こういった時期でもお客さまに乗っていただけるのはどんな企画だろうと考えたときに、空港の制限区域内をバスで走るコースが本当にできないだろうかと検討を始めました。

――空港の制限区域内はさまざまな制約があると思いますが、企画にあたって難しかったのはどんな点でしょうか。

鹿島:
最初に一番のハードルになるだろうと考えていたのは、運転士の運転許可が取得できるかどうかです。
制限区域内は、国土交通省航空局による試験をパスしないと運転できません。我々にとって経験のないことだったので、まずこの点が課題でした。空港内のセキュリティに関しても同様で、制限区域内に入るにはどんな条件があり、どうすればクリアできるかなどを航空局とご相談しながら進めました。
コロナ禍で空港利用者が減っている中、航空局も空港を盛り上げたいという意向があったようで、さまざまな面でご協力をいただけました。

――制限区域内の運転は一般の道路とどう違うのでしょうか。

鹿島:
簡単に言えば交通ルールです。
制限速度が区間ごとに決まっていたり、特別な標識があったりするので、そういったものを覚えなければいけません。試験は筆記ですが、合格するまでは実地走行はできないので、運転士は合格後に訓練期間を約1カ月設けて制限区域内で研修しました。

ルートはどうやって決めた?

――コースは空港内を約70分間走行し、3カ所で停車して写真撮影タイムがあります。ルートはどのように決めたのでしょうか。

鹿島:
制限区域内だけに最初は我々もわからないところだったので、ルートについても航空局に相談に乗っていただきました。
せっかくの空港内ですから、滑走路脇など飛行機の離着陸を間近で見られる場所や、駐機している航空機がよく見える場所は外せないですよね。そういった点をご相談しつつ、実際に空港関係者の方に車で案内していただくなどして決めていきました。
基本的に、盛り込みたいと思ったポイントはほぼ実現できました。セキュリティ上、ルートはお客さまにはお示ししていませんが、そこは乗車された際のお楽しみということで(笑)。

――制限区域内のルートを含め、コースの概要がほぼ固まったのはいつ頃ですか。

鹿島:
運行開始の約2カ月前、5月初め頃でした。
通常のコースの場合、以前はパンフレットをつくる都合で実施の半年前には企画を開始していましたが、コロナ禍で状況が読めない現在はWebでのご案内が中心なので、企画は実施の約2カ月前から行っています。
このコースは企画開始から実施まで約半年ですので、やはり長いですね。

後編でもこのユニークなコースのおもしろい話がまだまだ続きます!

<「バスグラフィックTV」の紹介>

YouTubeの小誌公式チャンネル「バスグラフィックTV」でも、はとバス「羽田空港ベストビュードライブ」コースの魅力をお伝えする動画番組を公開中です。ぜひ、ご覧下さい!
 https://youtu.be/xeILT4v_0SY

※ 写真・文 : バスグラフィック編集部
※文中敬称略

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