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羽田空港の「制限区域」をバスでドライブ、はとバス新コースはこうして実現した[後編]

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東京観光の代名詞としておなじみの「はとバス」が6月25日から運行を開始した「羽田空港ベストビュードライブ」。
許可された車両しか入れない空港の制限区域内を2階建てバスで走行し、離着陸する航空機などを間近で見られるというコースで、はとバスが羽田空港の制限区域内を走るのは実に同社の創業以来初めてです。
後編の今回は、空港内というセキュリティの厳しい場所での運行の工夫やコースの注目点について、同社観光バス事業本部旅行事業部・企画手配課長の鹿島輝(かしま・あきら)さんと、運転士指導主任の伊大知隆(いおち・たかし)さんに聞きました。

途中でバスを乗り換えるワケは?

――「羽田空港ベストビュードライブ」は、制限区域内を2階建てオープントップバス、または屋根付きの2階建てバスで走るのが売りです。
「2階建てバス」はこだわったポイントでしょうか。

鹿島:
空港の制限区域内はやはり高いアングルから見ていただきたいので、2階建てバスにこだわりました。
基本的にはオープントップバスで、気温や天候によって屋根付きのバスとなります。
制限区域を走るには空港内専用ナンバープレートの取得が必要で、オープントップバスと屋根付き2階建てバス、それぞれ2台ずつ専用ナンバープレートを付けています。
一般のバスも専用ナンバープレート付きが3台あり、万が一制限区域内で2階建てバスのトラブルなどがあった際の救援を考慮しています。

――コースは京橋駅前を一般の観光バスで出発し、羽田空港でセキュリティチェックを受けたのち2階建てバスに乗り換えて制限エリア内を走行します。
バスを乗り換える形にしたのはなぜですか。

鹿島:
制限区域内に持ち込めるのは貴重品など一部だけです。
荷物を置いていただくスペースを考えると、バスを乗り換える形にして、空港外を運行するバスを荷物置き場にするのがいいのではないかということになりました。

制限区域内は落とし物厳禁!

――制限区域内を走る2階建てバスに乗る際、乗客は貴重品を透明ビニールバッグに入れ、配布されるストラップを各自手持ちのスマートフォンのほか、乗車時にもらえるミネラルウォーターにも取り付けます。
セキュリティは厳重ですね。

鹿島:
制限区域内には絶対にものを落としてはいけないんです。
航空機に吸い込まれると大事故につながるので、その点は十分すぎるくらい注意してほしいと要請されました。
2階建てオープントップバスの場合は停車スポットで写真撮影のために屋根のホロを開けますが、そこでお客さまが立ち上がった際に持つ可能性があるものにはすべてストラップを付けていただくようにしています。
透明ビニールバッグは検査の時間が限られている中で、万が一持ち込み禁止のものがあった場合にすぐ見つけられるようにするための方法です。

――空港内では3カ所で停車しての撮影タイムがありますが、一方で撮影禁止の場所もありますね。

鹿島:
保安が一番なので、撮影禁止の部分についてはご理解いただければと思います。
逆に、そこは写真では見られない部分ということでもあるので、ぜひ実際に眼で見て楽しんでいただければと思っています。

乗るたびに違う体験ができる

――運行開始以降の予約状況はいかがですか。

鹿島:
おかげさまで好調です。
当初は航空機が好きな方のご利用が多かったですが、ご家族連れなども増えています。

――現在、制限区域内の運行を担当する運転士・ガイドは何人ですか。

鹿島:
運転士が約20人、ガイドが約10人です。

――制限区域内での運転は一般の道路とどんな違いがありますか。

伊大知:
道路そのものは一般の道路と大差ないですが、航空機が行き来しているときは通れなかったり、航空機の排気の関係で一時停止したりするところなどがあるので、そういったところに注意しながら運転します。
速度はだいたいの場所で時速30km制限です。

――実際に運転されていて、特に見どころだと思うのはどんな点ですか。

伊大知:
お客さまの目線がちょうど滑走路の高さになる場所があるんですが、普通はまず入れないところですよね。
そこに航空機が着陸してくるシーンなどを見られるのは貴重な体験になると思います。
風向きで離着陸のルートが変わるので、気象条件によっても見られるものが違います。

鹿島:
最初、ガイドにはこのようなご案内をしてくださいということで会社から資料を渡しましたが、教習を積むにしたがってこれを伝えたい、という内容が増えて各自で勉強していて、案内もそれぞれ違う部分があります。

伊大知:
実際に運行していると、なんでこんなことまで知ってるんだろうと思ったりすることもあります(笑)。

――今後、このコースをどのように発展させていきたいですか。

鹿島:
例えば撮影用の停車時間を長くするなど、こだわりの方向けのコースもできたら面白いのではと考えています。
また、航空会社や空港関係者の方によるご案内があるコースがあったら喜んでいただけるのではとも思っています。

<「バスグラフィックTV」の紹介>

YouTubeの小誌公式チャンネル「バスグラフィックTV」でも、はとバス「羽田空港ベストビュードライブ」コースの魅力をお伝えする動画番組を公開中です。ぜひ、ご覧下さい!
 https://youtu.be/xeILT4v_0SY

※ 写真・文 : バスグラフィック編集部
※文中敬称略

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