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奈良交通が “DREAM SLEEPER” の運行を始めたワケは…?[ 前編 ]

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『バスグラフィック』Vol.30(2017年3月29日刊行)の巻頭レポートで、完全個室夜行高速バス「DREAM SLEEPER(ドリームスリーパー)東京・大阪号」の登場を速報したことを覚えている方もいらっしゃることでしょう。
東京都の関東バスと岡山県の両備(りょうび)ホールディングス(両備バスカンパニー)が共同運行で、東京と大阪を結んでいました。
それから6年。その間の新型コロナウイルス感染症拡大による大きな影響を受け、「DREAM SLEEPER 東京・大阪号」も運休を余儀なくされていました。
そして2022年12月16日、新たに奈良交通が関東バスと共同運行を行う「DREAM SLEEPER 東京・大阪奈良号」に生まれ変わりました。
今回は「バスグラフィックTV」でもおなじみの奈良交通広報担当の大川 真由子(おおかわ・まゆこ)さんに案内してもらいながら、奈良交通の “DREAM SLEEPER” を前編と後編に分け、クローズアップします。  

運行開始の契機は関東バスからの申し入れ

奈良交通が “DREAM SLEEPER” の運行を始めたのは、共同運行会社の関東バスからの申し入れがキッカケとなりました。
「DREAM SLEEPER 東京・大阪号」は、2017年1月18日の運行開始から関東バスと両備ホールディングスの共同運行を行っていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大により2020年4月4日から運休してしまいました。

翌2021年11月5日から運行を再開したものの、関東バスの単独運行となり、両備ホールディングスは運休したまま結局運行を離脱した経緯がありました。
そして、新たな共同運行事業者として奈良交通に提案されました。

高速バス事業の認知拡大をさらに図るために参画

“DREAM SLEEPER” は完全個室の専用車両での運行となり、運行開始から年月を経てもたびたびマスコミに取り上げられることもあり、大きな注目を集めていることから、奈良交通では相乗効果をねらって高速バス事業の認知拡大をさらに図りたいと考え、共同運行に参画しました。
また、“DREAM SLEEPER” はすでに確立されたブランドであるため、その格式にサービスレベルを合わせるよう運行準備を進めました。
車両は両備ホールディングスが使用していた2016年式の三菱ふそうエアロクィーンQTG-MS96VPスーパーハイデッカー車を引き継ぎ、奈良交通独自のカラーリングデザインを施しています。
乗務員の教習も入念に実施。
奈良交通では三菱ふそうトラック・バス製の車両をほとんど導入していないことから、日頃の車両点検や整備についても仕様が異なることが多いと認識し、共同運行事業者である関東バスやメーカーとやり取りを行いながら、万全な体制での運行を目指しました。

奈良駅発着となったワケは?

奈良交通が新たな共同運行事業者となり運行が始まった「DREAM SLEEPER 東京・大阪奈良号」ですが、JR奈良駅と東京のバスタ新宿の間を結び、途中で大和西大寺(やまとさいだいじ)駅南口、南海なんば高速バスターミナル 、大阪駅前の順に停車します。
もともと関東バスが運行していた「DREAM SLEEPER 東京・大阪号」を奈良へ延伸させる格好となったため、もともと一定数の利用客があった南海なんば高速バスターミナル 、大阪駅前の発着時刻を大きく変えることなく運行するため、「DREAM SLEEPER 東京・大阪奈良号」では奈良駅発着となり、その他の奈良県内のバス停としては大和西大寺駅南口が設定されました。

奈良交通らしくシカのマークがあしらわれたデザイン

それではこれから奈良交通の「DREAM SLEEPER 東京・大阪奈良号」の外観を見ていくことにしましょう。
全長11.99m、全幅2.49m、全高3.51mで、ホイールベース(前後の軸距)は6.095m。
乗車定員は運転者2人を含め13人となっています。
カラーリングデザインを見ていくと、前面はいたってシンプルで奈良交通の社紋と“SLEEPER”の頭文字“S”の周りに8つの星を配したマークがあるのみです。
両側面には太い黒文字で“DREAM SLEEPER GUSSURI”のロゴをダイナミックに斜めに配しています。
また、「より上級の……」を意味する“Superior Class”を金文字で流れるような書体のロゴにして、円や星のマークと組み合わせたデザインが後方に描かれています。このロゴ・マークは後面エンジンのリッド(点検ぶた)にも描かれています。

そして何よりも両側面前方にあしらった奈良交通のシカのマークと7つの星を組み合わせたマークが、奈良交通を強く印象付けるものとなっています。

まだある「DREAM SLEEPER 東京・大阪奈良号」の特徴は?

背の高いスーパーハイデッカー車であるため、後方から見ても実に堂々としたスタイリングです。
側窓は両側面とも固定窓となっていてガラスを仕切る細かな窓枠がないため、ガラス面とボディに連続性が感じられます。
そのことから丸囲みした金文字の“Superior Class”のロゴ・マークも側窓にかかるように大きく描かれており、この車両の特別感をさらに増しているような印象です。

リアウィンドウは設けられておらず、“S”の周りに8つの星を配したマークと“DREAM SLEEPER GUSSURI”のロゴをあしらっています。
下方には後面行先表示器とハイマウントストップランプを装備しています。

車両後部には、最高出力420馬力、総排気量12,808ccの直列6気筒インタークーラーターボ付きディーゼルエンジン6R10(T4)型を搭載しています。

そして、登録ナンバーにも特別感が……。
希望登録ナンバーで、2022年5月27日の登録となっていますが、「80」は何を意味するのかと言うと……2023年に奈良交通が創立80周年を迎えることから、それを記念してのものとなっています。

後編ではいよいよ「DREAM SLEEPER 東京・大阪奈良号」の車内をご案内します。

※ 協力 : 奈良交通株式会社
※ 写真 : 伊藤岳志
※ 文 : バスグラフィック編集部(宇佐美健太郎)
※ 感染症予防対策を行ったうえで、撮影時のみマスクを外して撮影を行っている写真がございます。

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