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100周年を迎えた都営バス[後編]

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東京都交通局が運行する「都営バス」は、区部中心部から下町地域にかけてのほか、江戸川区や多摩地域の一部で運行しています。
東京、銀座、新宿、渋谷、池袋、上野、品川、六本木など都心の主要エリアを含む広範囲をきめ細やかに網羅しており、まさに「都民の足」とも言える存在です。
そんな都営バスが2024年1月18日に、運行開始から100周年を迎えました。
それを記念し、1月20日に東京タワー南側駐車場の屋外特設会場にて「都営バス100周年記念イベント」を開催しました。
後編記事の今回はイベントで初めてお披露目(ひろめ)されたスペシャルな車両を紹介します。

5種の歴代カラーと1種の記念デザインが登場!

都営バス100周年記念イベントの一番の目玉は、100周年を記念した6種類の特別ラッピングバス6台が初お披露目になったことです。
特別ラッピングは、戦後から1990年代終わり頃までに都営バスで採用された歴代カラーリングデザイン5種類と100周年記念デザイン1種類で、全て三菱ふそうエアロスター大型ノンステップ路線バスの現行モデル、型式2PG-MP38FKに施していることが特徴です。
特に現在の意匠(いしょう)の路線バスが数十年前の歴代カラーリングデザインをまとうことが新鮮であり、来場者をわかせ、その多くがカメラを向けていました。
実は、10年前の2014年1月18日に都営バスが90周年を迎えた際にも、同様の企画で歴代カラーリングデザイン5種類と100周年記念デザイン1種類の合計6種類6台の特別ラッピングバスが登場し、非常に好評を得ましたが、数年でラッピングは解除されました。
このことから、久々に歴代カラーリングデザインと記念デザインの特別ラッピングバスが登場したとも言えますが、今回のラッピングは90周年記念とは車体の意匠が異なる別の車種へ施されたため、既視感(きしかん)はありません。
それでは、これら記念すべき車両を個々に見ていくことにしましょう。

100周年記念デザインと戦後の都営バスカラーは?

100周年記念デザイン

局番:E-G781(練馬230あ・781)

小滝橋(おたきばし)自動車営業所の2021年式にラッピングを施しました。
都営バス100周年を記念したデザインで、クリーム色をベースにして、100周年を迎えることができた感謝を利用者と分かち合いたいという想いを込めて、都営バスでおなじみの緑色とオレンジ色を使った100周年記念ロゴが描かれています。
また、都営バス運行開始当時から現在に至るまでの歴代カラーリングデザインのバス7種を、かわいいイラストにして配しているほか、都営バスマスコットキャラクター「みんくる」もあしらっています。

1951~59年採用カラー

局番:B-H863(品川200か3365)

渋谷自動車営業所の2022年式にラッピングを施しました。
運行開始から戦後までは、車体によって異なるカラーリングデザインの車両が混在していましたが、1951年以降、都営バスはこのカラーリングデザインから全車統一しました。
カスケードブルーをベースにして、車体下部をダークグリーンとグレーに塗り分け、オレンジ色と白の細いラインを配した凝(こ)ったカラーリングデザインです。
おもに当時のボンネットバスやキャブオーバーバスに塗られていました。

1959~68年採用カラー

局番:P-H894(練馬200か3684)

巣鴨(すがも)自動車営業所の2023年式にラッピングを施しました。
当時の都電とおそろいのカラーリングデザインとして誕生し、通称「都電カラー」とも呼ばれています。
クリーム色をベースにして、マルーンのラインを配しています。
都営バス歴代のカラーリングデザインの中では最もシンプルと言えそうですが、当時は明るい色合いに新しさを感じたようです。

高度経済成長期以降の都営バスカラーは?

1968~80年採用カラー

局番:H-H959(足立200か4329)

千住(せんじゅ)自動車営業所の2023年式にラッピングを施しました。
美濃部亮吉(みのべ・りょうきち)都知事在任期間とほぼ同じ期間に採用されたカラーリングデザインであったことから、通称「美濃部カラー」とも呼ばれています。
アイボリーをベースにして、スカイブリーのラインを配しています。
高度経済成長により発展した街の色との調和を考えて誕生したカラーリングデザインで、都民に親しまれました。

1980・81年採用カラー

局番:V-H971(足立200か4256)

江戸川自動車営業所の2022年式にラッピングを施しました。
路線バスへの冷房車導入をPRするために採用されたカラーリングデザインで、鈴木俊一(すずき・しゅんいち)都知事の就任に近い時期に採用されたことから、通称「鈴木カラー」とも呼ばれています。
イエローをベースにして、マルーンのラインを配しています。
当時としては、これまでにない派手な色づかいと受け取られてしまったことから、都民には不評で、都営バスのカラーリングデザインについて大きな論争が起きるきっかけとなり、わずか2年のみの採用になりました。

1982~98年採用カラー

局番:S-G714(江東210あ・714)

深川自動車営業所の2021年式にラッピングを施しました。
「鈴木カラー」での意見をふまえたうえで登場したカラーリングデザインで、「都営バスは黄緑色」というイメージがここで確立しました。
クリーム色をベースにして、車体下部をベージュに塗り分けており、グリーンを車体側面中ほどでカギ型に大きく斜めに折り曲げて配していることで、通称「ナックルカラー」(ナックルライン)とも呼ばれています。
他のバス事業者のカラーリングデザインにも影響を与えました。

いまの都営バスにも熱い視線が…

100周年を記念した6種類の特別ラッピングバス6台は、イベント開始から約1時間半後に「都営バス100周年記念シークレットバスツアー」に使用するため、ツアー客を乗せて会場を後にしました。
入れ替えで現在、都営バスで活躍する特徴的な車両4台が展示されましたが、100周年記念特別ラッピングバスに負けず劣(おと)らず、来場者から注目を集めていました。

貸切観光バス

局番:K-E007(足立201こ・・・7)

都営バスも貸切観光バスを所有しており、職場やグループの旅行、学校の遠足、社会科見学などで使用されています。
展示されたのは、2019年式いすゞガーラ2PG-RU1ASDJ改のハイデッカー車で、車イス乗降用リフトを装備していることが特徴です。
左前輪直後に専用の扉を設けています。

燃料電池バス

局番:A-F169(品川230あ・169)

水素をエネルギー源にして発電し、モーターで走行する電気バスが燃料電池バスです。
都営バスは日本で最も多く導入している事業者で、現代の都営バスを象徴する車両とも言えます。
展示されたのは、品川自動車営業所の2020年式トヨタSORA(ソラ)で、型式はZBC-MUM1NAE、ノンステップ路線バスです。

フルフラットバス

局番:J-D921(江東200か・154)

車内前方から後方にかけての通路に段差がないフルフラットバスも展示されました。
都営バスでは2019年度に29台を導入し、現在は巣鴨、小滝橋、杉並、北、深川、千住、南千住、江戸川、有明の各営業所・支所で活躍しています。
車体はオーストラリアのボルグレン製、エンジン・シャーシはスウェーデンのスカニア製で、型式は2DG-NB4X2BVJです。
展示されたのは、有明自動車営業所の2019年式です。

ノンステップバス

局番:T-E520(練馬230か・520)

一般的な大型ノンステップ路線バスも展示されました。
早稲田自動車営業所で活躍している、2020年式いすゞエルガ2PG-LV290N3です。

※ 写真 : 伊藤岳志
※ 文 : バスグラフィック編集部(宇佐美健太郎)
※ 本記事内中に公開している写真は報道公開時間に撮影したものです。
※ 記事中の車両についてのお問い合わせなどを事業者など関係各所へ行わないようお願い申し上げます。

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