都営バス100周年・「みんくる」25周年イベント開催![ 後編 ]

そんな都営バスは2024年の今年、運行開始から100周年を迎えました。
そこで、9月20日の「バスの日」を迎えたことに加え、都バスマスコットキャラクター「みんくる」の就任25周年を記念したバスの日イベント「バスまつり2024 in 東京ビッグサイト 都営バス100周年 & みんくる25周年W記念祭」を10月5日(土)に東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催しました。
前編記事ではイベントの概要と、公営バスのさきがけともなった約100年前の「円太郎バス」を紹介しましたが、後編記事では会場で展示された車両を中心に紹介します。
■ みんくる25周年のラッピングバス!

いすゞエルガ2PG-LV290N3(ジェイ・バス製ボディ架装)
2020年式 局番:T-F570 (練馬230あ・570)
今回のイベントの車両展示は全10台ありましたが、「円太郎バス」を除く残り9台は都営バスで活躍中の現役車でした。
現役の都営バスの車両展示でまず目をひいたのが、都バスマスコットキャラクター「みんくる」の就任25周年を祝ったラッピングバス3種です。
ベースカラーの色違いであるものの、車体両側面にはさまざまなポージングの「みんくる」がちりばめられたデザインが特徴です。
後面は3種とも「みんくる」を真ん中に置いてデザインされた「みんくる」就任25周年マークが大きく描かれています。
この車両は早稲田自動車営業所所属で、薄いピンクをベースにしていて、側面はそのピンク、淡いイエロー、スカイブルーのゼブラ模様になっていることが特徴です。

いすゞエルガ2PG-LV290N3(ジェイ・バス製ボディ架装)
2020年式 局番:N-F605 (練馬230あ・605)
「みんくる」ラッピングバス2種類目のこの車両は北自動車営業所所属で、屋根廻りをオレンジ、窓下をスカイブルーとした車両です。
車体側面は「みんくる」を散りばめたデザインとなっていますが、1台目に紹介した局番N-F570とは「みんくる」の大きさや配置などが異なっています。

いすゞエルガ2PG-LV290N3(ジェイ・バス製ボディ架装)
2020年式 局番:R-F673 (足立230い・673)
「みんくる」ラッピングバス3種類目のこの車両は江戸川営業所臨海支所所属で、車体全体をネイビーとした車両です。
車体側面は「みんくる」就任25周年をモチーフにした“25th”の文字が、たなびくリボンと一緒にデザインされており、そこにいくつかの「みんくる」があしらわれています。

会場で「みんくる」ラッピングバスは3種ともフルカラーLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)による「祝! みんくる25周年」の電光表示を行っていました。
前面行先表示器に表示されたのは、「みんくる」の姿はもちろんのこと、ハートマークや三色だんごのイラストなどで、普段の運行では絶対に行わない表示を写真に収めている来場者が多く見られました。

はやり言葉でパーティー好きを意味する「パリピ」ぶりを意外にも発揮しているように見える「みんくる」。
側面行先表示器に表示されたもので、カラフルな三角旗の下で両手に三色だんごを持ち、パーティー用コーンハットをかぶった「みんくる」が、フルカラーLEDによって楽しげに表現されていました。
ちなみに、三色だんごは「みんくる」の好物とのことです。
■ 都営バスのいまを代表する車両がいっぱい!

三菱ふそうエアロスター2PG-MP38FK(三菱ふそうバス製造製ボディ架装)
2021年式 局番:E-G781 (練馬230あ・781)
3種類の「みんくる」ラッピングバス以外でも、今回会場で展示された車両はいろいろと注目すべき点が多くありました。
つぎに紹介するのは、会場で展示された現役の都営バスたちです。
この車両は小滝橋(おたきばし)自動車営業所所属の大型ノンステップ路線バスで、2024年の都営バス運行開始100年を記念した100周年記念デザインラッピング車です。
1月20日に東京タワー南側駐車場の屋外特設会場にて開催された「都営バス100周年記念イベント」で初めてお披露目(ひろめ)され、「バスギア ターミナル」でも2月8日公開の記事で紹介しています。

三菱ふそうエアロスター2PG-MP38FK(三菱ふそうバス製造製ボディ架装)
2023年式 局番:V-K290 (足立200か4448)
江戸川自動車営業所所属で、特にラッピングなどは行われていない一般的な大型ノンステップ路線バスです。
前面行先表示器にはシンプルに、東京都のシンボルマークとともに「都営バス100周年」の文字が表示されていました。
100周年記念デザインラッピング車である局番E-G781と同型ですが、この車両の方が新しく、カラーリングデザイン以外では屋根上冷房装置のカバーの形状が異なっていることが特徴です。

いすゞエルガ2PG-LV290N3(ジェイ・バス製ボディ架装)
2020年式 局番:K-F646 (足立230あ・646)
南千住自動車営業所所属で、こちらも特にラッピングなどは行われていない一般的な大型ノンステップ路線バスです。
都営バスでは入札によりその年度に導入する新車が決められますが、一般的なディーゼルエンジンで走行する大型ノンステップ路線バスは、2014年度から2020年度までの間はいすゞが導入を続けていました。
この車両はイベント開催日現在、いすゞ製で導入された最も新しいグループの中の1台です。

上記で紹介した局番K-F646や100周年記念デザインラッピング車、燃料電池バスの前面行先表示器には、フルカラーLEDで「バスまつり2024 in 東京ビッグサイト」の記念表示が行われました。
クラッカーを発射する「みんくる」や風船のイラストも描かれていてお祭りムード満点ですが、表示内容からこのイベント当日しか表示されない貴重なものであることも分かります。

側面行先表示器もフルカラーLEDで文字を中心にした表示となっており、「都営バス100周年 & みんくる25周年W記念祭」と当日のイベント名もしっかりと書かれていました。

トヨタSORA ZBC-MUM1NAE(ジェイ・バス製ボディ架装)
2024年式 局番:S-K178 (江東210あ・178)
水素を燃料とし、それを空気と化学反応させることによって発電し、モーターで走るバスが燃料電池バスです。
環境負荷物質を排出しないことが特徴の大型ノンステップ路線バスで、都営バスでは2018年度から導入されており、日本で一番の導入台数を誇(ほこ)ります。
この車両は2024年の今年、深川自動車営業所に導入されたものです。

スカニア2DG-NB4X2BVJ(ボルグレン製ボディ架装)
2018年式 局番:J-D920(江東200か・153)
スウェーデン王国の商用車メーカーであるスカニア製エンジン・シャーシに、オーストラリア連邦のバスボディメーカーであるボルグレン製ボディを架装した大型フルフラットバス。
日本で普及しているノンステップ路線バスは、おもに前中扉間の床がノンステップ構造で、中扉以降が段上げとなっていますが、この車両は前扉から最後部座席までの通路がノンステップ構造となっていることが特徴です。
今回のイベントで展示されたのは有明自動車営業所所属車で、前面行先表示器にはフルカラーLEDにより「都営バス100周年」の文字とともに花火と「みんくる」が表示されました。
また、側面行先表示器もフルカラーLEDで、発射されたクラッカーのイラストに「祝! 都営バス100周年」の文字が入れられた表示がされました。

三菱ふそうエアロスター2PG-MP38FK(三菱ふそうバス製造製ボディ架装)
2022年式 局番:H999(江東200は・・17)
この車両は都営バスの安全運行を支えるバス運転訓練車で、「バスギア ターミナル」の2023年10月6日と13日の公開した記事でも詳しく紹介しました。
営業運行に使用されることはなく、乗務員の運転技術や安全意識向上などにつなげる研修に使用されます。
行先表示器は前面・側面とも特にイベントにちなんだ表示はしていませんでしたが、普段はなかなか見ることのできない車両だったことから、会場では注目を集めていました。
■ この日しか運行されない「祭100」系統も大きな話題に…

「バスまつり2024 in 東京ビッグサイト 都営バス100周年 & みんくる25周年W記念祭」開催日に合わせ、2024年10月5日限定運行の都営バス「祭100」系統が走ったことも大きな話題を呼びました。

「祭100」系統の往路は、「国立がん研究センター前(大江戸線築地市場駅)」から「勝どき駅前(大江戸線勝どき駅)」を経て「東京ビッグサイト東棟バスまつり会場」に至り、復路は、「東京ビッグサイト東棟バスまつり会場」から「国立がん研究センター前」を経て「勝どき駅前」に至るもので、これ以外のバス停は通過しました。
充当車両は全部で12台とのことで、その中には今から16年前となる2008年式の日産ディーゼル・スペースランナーRA PKG-RA274KAN、局番F-S680(練馬200か2059)といった愛好家好みの古い車両も見られました。

また、都営バス運行開始100周年を記念して2024年1月に登場した歴代カラーリングデザインの特別ラッピングバス5種も運行に就いていたようで、注目を集めました。
その中でもこの車両は、都営バスで1980・81年に採用されたカラーリングデザイン、通称「鈴木カラー」をまとった2022年式の三菱ふそうエアロスター2PG-MP38FKで、江戸川自動車営業所所属の局番V-H971(足立200か4256)です。
イベントではさまざまな企画や出展・展示が行われ、このような1日限定の系統も運行されるなど、来場したファミリー層やバス愛好家にとっては都営バスを楽しみ尽くせるまたとない1日になりました。
※ 協力 : 東京都交通局
※ 写真・文 : バスグラフィック編集部
※ 記事中の車両についてのお問い合わせなどを事業者へ行わないようお願い申し上げます。
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