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新潟・長岡駅前バスウォッチング[ 前編 ]

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バス専門誌『バスグラフィック』の誌面では、地方都市の駅前や大通りなどを行き交うその土地土地のバスを記録して紹介してきましたが、『バスグラフィック』とコラボレーションしている「バスギア ターミナル」でも新潟駅前および長岡駅前で行ったバスウォッチングの結果をレポートします。
2020年からのいわゆるコロナ禍やそれにともなっての大きな情勢の変化により、2010年代までのように編集部のある東京から遠い地方の取材が行えなくなってしまっていましたが、今夏、『バスグラフィック』制作で以前より助言を下さっているK名誉教授からお声掛けをいただいたことをキッカケに、日帰りで新潟駅前と長岡駅前のバスウォッチングを敢行してきました。
同じように見えても実は人柄のように1台1台が違うバスの魅力をお伝えするべく、今回は前編で新潟駅前にて、後編で長岡駅前にて見られたバスたちを紹介します。

■ 大きく変わった新潟駅万代(ばんだい)口バスターミナル

2020年4月3日発刊の『バスグラフィック』Vol.42では「みんなのバスセンターこれから」と題した特集記事を掲載し、2019年末当時のJR新潟駅万代口の様子をお伝えしました。
JR新潟駅は当時、新潟駅付近連続立体交差事業および駅前広場整備事業が開始されていましたが、万代口はいわゆる再開発によって2024年8月現在までにその姿を大きく変えました。
『バスグラフィック』Vol.42発刊当時、JR新潟駅万代口には地上4階・一部6階の駅舎がありましたが、昭和風情(ふぜい)のそれらの駅舎は全て解体され、高架ホームの擁壁(ようへき)が姿を現しており、引き続き出入口やペデストリアンデッキなどの整備工事が行われている状況です。

JR新潟駅の万代口バスターミナルもその姿を大きく変え、新たに「新潟駅バスターミナル」として生まれ変わり、2024年3月31日より供用を開始しました。
新潟駅バスターミナルは、万代口の前にある万代広場から高架下に設けた交通広場を通り、南口広場までを一体化した構造となっています。
バスターミナルのある万代広場の東エリアがまず先に完成し、2024年8月現在、タクシー乗り場がある中央エリアは、今後植栽が施された広場になる計画です。
また、旧・万代口バスターミナルのあった西エリアはタクシー乗り場や駐車場になる計画です。

新潟駅のバス乗り場は以前、JR線を隔(へだ)てて万代口と南口に分かれていたことから、来訪者には分かりにくかったものの、新潟駅バスターミナルでは全部で18の乗り場が1カ所に集約されて便利になったことが大きな特徴です。
万代広場の東エリアに新たに設けられたバスターミナルにはロータリーがあって、バスが転回することも可能です。
ちょうど連節バス「ツインくる」を充当した「萬代橋(ばんだいばし)ライン」が新潟駅バスターミナルを出発しようとしています。
「萬代橋ライン」は2025年に新潟駅と青山の間などを結ぶBRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)として運行を開始しましたが、当初計画していた専用走行路の整備を取りやめたなどから2024年3月末で“BRT”の呼称が外されました。

高架下の交通広場にもバス乗り場が整然と設けられ、高架橋に大きく乗り場の番号が書かれています。
そこへ万代口側と南口側からひっきりなしにバスが発着していました。
旧・万代口バスターミナルはバスが後退して乗り場に進入するスイッチバック方式で、乗務員への負担や周辺の車両滞留(たいりゅう)などが課題になっていましたが、それらも一気に解決されました。

南口広場に設けられたバスターミナルは、万代広場から高架下の交通広場を経て地続きとなる格好です。
南口広場にもロータリーを設けており、中央部分はバスの待機スペースとなっているため、朝夕のラッシュ時などには多くのバスが停められているのを目にすることができます。
南口広場のバスターミナルから新潟市の市道である弁天線へ出て運行するバスも見られます。

ふたたび万代広場に戻り、西エリアにあった旧・万代口バスターミナルが現在どうなっているのかを見にいきました。
『バスグラフィック』Vol.42発刊時は、スイッチバック方式のバスターミナルに、武骨な鉄骨の柱を持つ特徴的な形状の上屋(うわや)がありました。
12の乗り場を貫くように設けられた長い上屋は、まるで鉄道の駅のプラットホームにあるもののようで、1950年代に造られたことから歴史を感じさせる造形でしたが、2024年8月現在は跡形(あとかた)もなく消えていました。
通りをはさんで建っている地上9階建ての商業ビル「第5マルカビル」も旧・万代口バスターミナルと相まって昭和の雰囲気を醸(かも)し出していましたが、全館閉鎖されており、今後耐震補強などを行い、2025年秋にリニューアルオープンする予定とのことです。

■ 新潟駅前バスウォッチング敢行!

それではこれから、2024年8月の新潟駅バスターミナルの万代口側と南口側を中心に、一部、複合商業施設「万代シティ」近くでウォッチングしたバスを紹介します。
全て新潟交通と同社の地域子会社である新潟交通観光バスの路線バスですが、そのほとんどが銀色をベースにして紺色のラインを巻き、屋根廻りを赤茶色にしたカラーリングデザインとなっています。
新潟交通は新潟市を中心に路線網を展開しており、新潟交通観光バスは新潟県の下越(かえつ)地方を中心に路線網を展開しています。

BYD K8 1.0(BYD製ボディ架装)
2023年式 社番:H1425-B(新潟200か1425)

中華人民共和国のメーカーBYD製の電気バスはここ数年で全国各地の事業者に導入されていますが、新潟交通では新潟駅と新潟空港との間を結ぶ空港リムジンバスに、前中扉間ノンステップの大型電気路線バスK8 1.0を2台導入しています。

BYD K8 2.0(BYD製ボディ架装)
2024年式 社番:H1476-B(新潟200か1476)

BYDの大型電気路線バスK8 1.0は、2022年にフルモデルチェンジをしてK8 2.0となり、フロントやリアを中心に外観デザインを変更したうえ、車内通路がフルフラットノンステップとなったことが特徴で、こちらも2台導入しています。

いすゞエルガKL-LV280Q1(ジェイ・バス製ボディ架装)
2005年式 社番:H332-I(新潟200か・332)

いすゞの大型路線バス「エルガ」で、前扉が折戸、中扉が引戸の前中扉間ワンステップ車です。
全長11.28mのいわゆる長尺車ですが、新潟交通では郊外路線や中長距離路線用に長尺車が多く導入されてきた事業者です。

いすゞエルガPJ-LV234L1(ジェイ・バス製ボディ架装)
2006年式 社番:H386-I(新潟200か・386)

上記の車両と同じいすゞエルガ大型路線バスで、前扉が折戸、中扉が引戸の前中扉間ワンステップ車ですが、こちらは全長10.28mのいわゆる短尺車です。
上記の車両とは中扉戸袋窓の前にある側窓のピッチが狭いことが分かります。

いすゞエルガPKG-LV234N2(ジェイ・バス製ボディ架装)
2008年式 社番:H541-I(新潟200か・541)

上記2台同様、いすゞエルガ大型路線バスですが、この車両は前扉が左右に分かれて包み込むように開くグライドスライドドア、中扉が引戸の前中扉間ノンステップ車です。
側窓にある「オムニバスタウン」は、行政によるバス利用促進のための総合対策事業の指定都市を意味します。

いすゞエルガ2PG-LV290Q3(ジェイ・バス製ボディ架装)
2019年式 社番:H1279-I(新潟200か1279)

いすゞエルガ大型路線バスは2015年にフルモデルチェンジして現行型となり、旧型から大きく車体構成やデザインが変わりましたので、上記の車両とよく見比べるとその違いが分かるでしょう。
この車両は全長11.13mで、前扉が折戸、中扉が引戸の前中扉間ノンステップ車です。

三菱ふそうエアロスターPJ-MP35JK(三菱ふそうバス製造製ボディ架装)
2006年式 社番:H388-M(新潟200か・388)

三菱ふそうトラック・バスの大型路線バス「エアロスター」で、いすゞエルガとはフロントデザインをはじめとして外観が大きく異なり、前面の扉側にある視認窓が特徴です。
この車両は全長10.25mの短尺車で、前扉が折戸、中扉が引戸の前中扉間ワンステップです。

三菱ふそうエアロスター2KG-MP38FM(三菱ふそうバス製造製ボディ架装)
2019年式 社番:H1276-M(新潟200か1276)

三菱ふそうエアロスターは2014年、フロントバンパーと連続性を持たせたヘッドライトケースにするなど、フロントデザインを中心にマイナーチェンジを行い現行型となりました。
この車両は全長11.26mで、前扉がグライドスライドドア、中扉が引戸の前中扉間ノンステップ車です。

日産ディーゼル・スペースランナーRA PKG-RA274KAN(西日本車体工業製ボディ架装)
2006年式 社番:H397-N(新潟200か・397)

すでにバス製造・販売を終了した日産ディーゼル工業製の大型路線バスで、2010年に解散した西日本車体工業、通称「西工(にしこう)」製のボディを架装した車両です。
全長10.29mの短尺車で、前扉折戸、中扉引戸の前中扉間ワンステップです。

日産ディーゼル・スペースランナーRA PKG-RA274PAN(西日本車体工業製ボディ架装)
2007年式 社番:H444-N(新潟200か・444)

フロントバンパーにヘッドライトなどの灯火類を収めたデザインが特徴の西工製96MCボディを架装した日産ディーゼル工業の大型路線バス「スペースランナーRA」です。
こちらは全長11.49mの長尺車で、前扉グライドスライドドア、中扉引戸の前中扉間ノンステップです。

■ 同じように見えても個性的な面々

いすゞエルガKL-LV280Q1(いすゞバス製造製ボディ架装)
2003年式 社番:H1147-I(新潟200か1147)

新潟交通観光バスの車両も新潟駅バスターミナルに発着します。
この大型路線バスは全長11.28mの長尺車で、前扉が折戸、中扉が4枚折戸の前中扉間ワンステップですが、もともとは東京ベイシティ交通に導入された車両で、ちばシティバスを経て新潟交通観光バスに移籍した車両です。
前扉直後に位置する側面行先表示器と中4枚折戸が移籍前事業者を物語る仕様です。

日野ブルーリボンII PJ-KV234N1(ジェイ・バス製ボディ架装)
2007年式 社番:H1500-H(新潟200か1500)

こちらは新潟交通の車両で、いすゞエルガ大型路線バスに見えますが、同型の日野ブルーリボンIIです。
前扉がグライドスライドドア、中扉が引戸の前中扉間ノンステップ車で、名古屋市交通局から移籍してきたばかりの車両です。

三菱ふそうエアロスターKL-MP35JM(三菱自動車バス製造製ボディ架装)
2002年式 社番:H1177-M(新潟200か1177)

新潟交通の三菱ふそうエアロスター大型路線バスで、前扉が折戸、中扉が引戸の前中扉間ワンステップ車です。
元・京阪バスの車両で、後輪ホイールアーチ(タイヤ部分のボディの切り欠き)付近に見られる黒い長円状の囲みの側面行先表示器跡が特徴です。

三菱ふそうエアロスターPJ-MP35JM(三菱ふそうバス製造製ボディ架装)
2005年式 社番:H1260-M(新潟200か1260)

こちらは新潟交通観光バスの三菱ふそうエアロスター大型路線バスで、前扉が折戸、中扉が引戸の前中扉間ワンステップ車です。
神奈川中央交通から移籍してきた車両で、三菱ふそうエアロスターの特徴である前面視認窓を備えておらず、運賃支払い方式表示器窓の跡があり、車体側面には幕式の出入口表示跡があります。

三菱ふそうエアロスターPJ-MP35JM(三菱ふそうバス製造製ボディ架装)
2005年式 社番:H1370-M(新潟200か1370)

上記の車両と同様に新潟交通観光バスの三菱ふそうエアロスター大型路線バスで、同型・同年式のワンステップ車ですが、よく見ると側窓の形状が異なっているほか、前面には視認窓があり、出入口表示もステッカーとなっています。
こちらは元・名鉄バスの車両で、中扉直後にある側面行先表示器や濃い色のガラスが特徴です。

三菱ふそうエアロスターKL-MP35JM(三菱ふそうバス製造製ボディ架装)
2003年式 社番:H1428-M(新潟200か1428)

新潟交通の三菱ふそうエアロスター大型路線バスで、前扉が折戸、中扉が4枚折戸の前中扉間ワンステップ車ですが、こちらは相鉄バスから移籍してきた車両です。
移籍前、側面行先表示器は前扉直後の側窓内にありましたが、移籍後は中扉直後の側窓内に移動しました。

日産ディーゼルKL-UA452KAN(西日本車体工業製ボディ架装)
2003年式 社番:H1187-N(新潟200か1187)

新潟交通観光バスの車両で、西工96MCボディを架装した日産ディーゼル工業製の大型路線バスであり、前扉が折戸、中扉が4枚折戸ですが、中扉の幅が狭いことが特徴。
横浜市交通局から移籍してきた全長10.28mの短尺ワンステップ車です。

※ 写真(特記以外)・文 : 宇佐美 健太郎(バスグラフィック編集部)
※ 記事中の車両についてのお問い合わせを事業者など関係各所へ行わないようお願い申し上げます。

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