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名物はホルモンラーメン!
「バスラーメン かわしま」を訪れる[ 前編 ]

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「バスギア ターミナル」WEBコンテンツや『バスグラフィック』誌面でもおなじみ、プロカメラマンの伊藤岳志(いとう・たけし)氏。鉄道カメラマンであることから、全国各地で取材を行っていますが、このほど岩手県での取材中に、昭和50年代を思い起こさせるようなモノコック構造のボディを持つ中型自家用バスベースのラーメン店を訪れました。引退したバスの車体を再利用したラーメン店は、「バスラーメン」という店名や愛称などで親しまれ、昭和50年代には各地で見られましたが、令和の時代の現在は、存在自体が珍しくなりました。そのような中、この岩手県のバスラーメンは知る人ぞ知る存在。一体どのようなラーメン店なのでしょうか。前編の今回は伊藤カメラマンが訪問時のインプレッションをお届けします。(バスグラフィック編集部)

「釜石(かまいし)ラーメン」とは別のもう一つのラーメン

岩手県釜石市は、古くから鉄鉱石の採掘が盛んで、街の中心部に製鉄所がそびえ立つ鉄の街として名をはせてきました。現在は製鉄業こそ衰退してしまいましたが、良好な漁場が多いことから水産業も盛んで、三陸を代表する街の一つとして全国に知られています。
そんな釜石の名物がラーメン!
かつて製鉄所が昼夜を問わずに稼働していた時代に、従業員たちのお腹を満たしていたのがあっさりしょう油味のラーメンでした。忙しい鉄の男たちに素早く提供できるように麺(めん)は極細で、スープからほんのり魚介の香りもただようこのラーメンは、いつしか「釜石ラーメン」と呼ばれるようになりました。
しかし、今回、ウワサを聞いて訪れようとしているお店は、この釜石ラーメンとはちょっと異なる変化球のラーメンを名物とするお店。しかも店舗の構造もめちゃくちゃ変化球……。そういうわけで早速、店舗があるという釜石の港湾エリアに向かってみました。

絶品ホルモンラーメンを出すお店の正体とは?

「な、何なんだコレは!」と思わず声が出てしまいました。東日本大震災の復興整備で造成された市街地の空き地に、ポツンとたたずむ白いクラシックなバス。車体には「ホルモンラーメン」の大きな文字、そしてラーメン店であることを示す暖簾(のれん)とノボリがはためいています。そう、これが今回紹介するラーメン店「かわしま」なのです。

インパクトが強すぎる外観に少々たじろいでしまいましたが、勇気を出して入口へと向かいます。バスなだけに入口はバスの前扉そのまま。自動扉を開閉するためのエアが抜けているので、軽い力で開けられますが、最近はマイクロバスでも自動扉が標準装備されているほどですので、手動でバスの扉を開けるという行為は体験したことがない方がほとんどだと思います。

最初はとまどうかもしれませんが、扉を開けて2段のステップを上がると、客室側にもう一つ、後付けの扉があって、それを開けるとバスの車内とは思えない屋台風の空間が広がっています。厨房(ちゅうぼう)は車体最後部にあるようで、小さな間口の向こうで店主の男性が一人ラーメン作りに奮闘しているのが見えました。
「いらっしゃい、何にします?」とその小さな間口から男性が尋ねました。どうやら全てワンオペレーションでやっているようです。何を食べるかは、車体を見た瞬間から決まっていましたので、迷わず車体に書かれていた「ホルモンラーメン!」と叫んで注文しました。

10分弱で「おまちどうさま……」の声とともにどんぶりが間口に登場。受け取って窓側に向いたカウンター席に置いてみました。一見すると味噌(みそ)ラーメンのようなスープの色で、たっぷりと乗せられたホルモンとネギのコントラストが美しく感じられます。そしてホルモンたっぷりなのにチャーシューまで乗っているのに驚きました。早速、いただきます! スープはしょう油ベースのようで、ホルモンの味噌ダレが溶け出してこのような色合いになっているのか、とにかく実に味わい深いスープでした。

麺は、通常の釜石ラーメンとは異なる中太麺でスープがよくからんでいます。そして、メインのホルモンは、タレがしみ込んでいてやわらかく、とにかくおいしい! これぞ釜石ラーメンとは異なる、釜石のもう一つの名物ラーメンだと思いました。

次回は、このバスラーメン店「かわしま」の店舗(車体)について掘り下げていきます。

※協力:バスラーメンかわしま
※写真・文:伊藤岳志
※本サイトに公開している写真・文は記事制作を条件に取材したものですので、店舗への撮影のお問い合わせはご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
※感染症予防対策を行ったうえで、撮影を行っております。

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