全国でわずか1.5％！！【バス女（ジョ）目線！】なんでバス運転手になったんですか

昨年からバスギアターミナルをご利用いただいている滋賀中央観光バス株式会社様。初めて同社に女性バス運転手の方が入社されたとの情報をキャッチ。全国で1.5％程と言われる女性バス運転手ですが、日頃からバス運転手を目指す方を増やしたいと考えている記者としては、バス運転手の魅力を女性目線で語って頂きたいと思いインタビューを試みました。

●なぜバス運転手を目指そうと思ったのですか。
元々、飲食店で勤務していたんですが、転職を決意し次は別の仕事をしようと一歩立ち止まって考えました。以前から車の運転が好きだったので、ドライバーを目指そうと決意し、最終目標は観光バス運転手になりたいなと。そこで思い切って大型二種免許を取得しました。免許は思っていた以上にスムーズに取ることができたのですが、いきなり、未経験者の私が大型バスを運転してお客様を乗せることは難しいと思い、まずは大型車の配送ドライバーに就職し４年ほど勤務しました。大型車の運転も苦にならなくなったころに念願のバス会社に転職することに成功できたんです。

○バス会社はどのようにして選ばれましたか。
観光バス運転手の目標がありましたが、一人ですべてをこなす観光バスの運転手は敷居が高く感じ、夜行の路線バス運転手になりました。入社当初は昼夜逆転の生活に戸惑うことも多かったですが、慣れるとその生活も苦にならなくなります。運行もツーマン運行が基本になりますので、２時間ごとに交代。常に同僚がいますので安心して運転に集中できました。バスの運転に自信が持てたところで、念願の観光バス会社に転職することにしました。私の場合は、一歩ずつ着実に進めて行ったって感じですね(笑)。

●観光バス運転手として苦労はありましたか。
路線バスは毎回、決められたルートを走るのですが、観光バスはお客様に合わせて全てオーダーメードのルート設定。毎回のように当然初めて走る道が出てきます。事前にルートの確認をする予習が非常に重要な作業ですね。国道といっても、大型バスがスムーズに走れるとは限りませんから。今は便利な時代で、スマホで事前に道路事情を確認することができるのでありがたいですね。


○観光バス運転手の魅力は何でしょうか。
観光バスの運行は一つのチームになることが大切です。学校の遠足や修学旅行は複数のバスで連なって運行します。お客様にバス旅行を快適に楽しんでいただくために、バス運転手と添乗員が運行上の決まり事を作って旅を創り上げていく喜びがあります。旅行はバス会社の演出で旅のイメージを大きく左右することもあるんです。無事に最終目的地までお送りできた際は自然と「ありがとう」「楽しかったね」の声をいただくことができるんです。

●滋賀中央観光バスに入社したきっかけを教えてください。
バス運転手の知り合いの方から「今、滋賀で大阪営業所を新規出店して業務拡大しているバス会社があるよ」と教えて頂き興味を持ちました。新規で構えられた事務所で働くことは、今までやってきたバス運転手の仕事とは違うことに取り組めるんじゃないかと考えましたね。実際、勤務している大阪営業所は開設したばかりの少人数の事務所。新人である私の意見も取り入れてくれますし、各々運転手の意見にも耳を傾けてくれる会社です。皆さん前職は別のバス会社で働いていたこともあって、様々な意見が聞けるので新たな発見が多々あります。


○女性バス運転手として心掛けていることはありますか。
ひと言で言えば「やさしい運転手」です。丁寧な運転で車内では快適に過ごしていただき、お客様が観光地でお降りする時には「いってらっしゃいませ」などのお声掛けをしています。乗り降りを繰り返していると次第にお客様とも打ち解けてきて自然に「運転ご苦労様です」と声を頂くことも増えてくるんですね。

●観光バス運転手として苦労したことはありますか
女性ドライバーがまだ少数と言うこともあり、乗車前のお迎えのあいさつをする時に、数年前までは４人に1人くらいから「運転歴どれくらい？」と聞かれていました。当初は正直に運転歴をお答えするのが良いのかどうかすごく悩みましたね。女性運転手で大丈夫なのかとあからさまに言われているようで、どうやったらお客様の不安を取り除けるのかと考えましたが嘘をつくこともできません。実際の運転技術を体験していただき納得していただくしかありませんね。


○今後の目標を教えてください
定年まで大型バスに乗り続ける事。でもバスの運転は体力が必要です。日頃からの健康管理に気を配り、できるだけ長くこの仕事を続けたいですね。

滋賀中央観光バス株式会社は設立から４０年以上の老舗の免許事業者(※1)。
(※1)免許事業者とは規制緩和以前の厳しい認可基準時代に事業を認められた事業者です。

昨年は新たに大阪営業所（枚方市）を設けるなど、業務拡大に積極的な会社だ。また、同社独自の取り組みも目が離せない。それは最新の安全設備を搭載した車両に１０名定員の「ＶＩＰバス」の導入や今年1月から大津市瀬田川沖桟橋を発着とする36名様乗り屋形船『四季』を新規事業として運航していることだ。ＶＩＰ観光バスと屋形船四季のセット観光プランは同社ならではの提案と言えるだろう。
加えて、新車導入にも積極的なことにも注目したい。6月から8月にかけて3台の新車導入が決定済み。歴史ある会社でありながら新たな取り組みにも積極的な同社は、インタビューした西端さんも「良い意味で厳しいタテ割り社会が無い会社」とのこと。だから、新人の方でもすぐに馴染める環境であることは間違いなさそうだ。同社では、採用活動も積極的に行っているので、興味のある方は是非採用ホームページをチェックしていただきたい。

私も、琵琶湖を観光する機会があれば、一度でいいから「ＶＩＰカー」に乗ってみたいと思った。担当者にお話を聞くと「乗り心地は飛行機のファーストクラスの様」とのこと。バスの移動が快適すぎて居眠りしないよう気をつけないといけないな。