伊東浩子の『私にも言わせてよ!』七.一年の計は元旦にあり
みなさまこんにちは。
2019年新春。
お健やかに佳い年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
『一年の計は元旦にあり』
それぞれに今年の目標や計画を立てられたことと思います。
みなさまのご健康とご多幸、ご発展をお祈り申し上げます。
年末年始、一般的には行政機関の休日に準じて12/29~1/3は正月休みですが、公共の交通機関を止めることはできませんので、路線バスの運転手は交代で休みます。
変則勤務の職場では、年末年始だけは例外ということもなく私もローテーションに従って大晦日・元旦にも乗務しました。
ですが、お正月三が日の乗務は、よくご乗車されるお客様と新年の挨拶を交わし、顔見知りのお客様からは『今年もよろしくね』と声をかけられて清々しい気持ちになったものです。
これも路線バスならではの光景ですね。
もちろん、バス運転手になるとお正月が休めないかというとそうではありません。私の職場は5勤2休できちんとローテーションが組まれていたので、運良く公休日が大晦日・元旦や元旦・2日に当たる年があれば、12/28・29が公休日で12/30~1/3は出勤という年もありました。
お正月の勤務は毎年変わるので、ある意味私にとっては『お楽しみ!』のひとつでもありました。
『元旦は絶対に休みたい』と言う人もいれば『三が日が明けてからゆっくりと休みたい』と言う人もいますので、意外にもわがままが言えるのは、実は変則勤務の職種・職場の特権ではないかと思います。
かくいう私も、内心微笑んでいました。
それとみなさん、そんなバス会社のお休みをめぐる人間模様と内部事情、気になりませんか?(笑)
そう思いまして、ほんの少しその様子をご披露したいと思います。
年末年始の路線バスは、お客様の動向や利便性に合わせて運行回数が変わりますので、特別ダイヤを組むことはみなさんもご周知のとおりですね。
実はこのお正月勤務スケジュールは、概ね毎年11月下旬までに決めることがほとんどなんですよ。
そこで【正月休暇争奪戦】が行われるのです(笑)
まずはみなさんご自身の事情に合わせてどの日を休むか調整をするのですが、希望が集中する日はやはり抽選になります。
すると、くじ運の強い人と弱い人とがいまして・・・(笑)
しかしそれで終わりではありません。争奪戦に敗れても次の作戦で公休日の交換交渉を行うのです。
組織のルールに反しない限りは交渉の余地があるので果敢にチャレンジします。
ここで発揮するのが“人柄と日々の行動”です!当然と言えば当然ですが(笑)
“捨てる神あれば拾う神あり”私の職場は温厚で気の良い方が多かったし仲が良くアットホームな雰囲気でしたから、私はみなさんにずいぶん助けてもらいましたし私もまた協力しました。
助けてもらったことは、本当に今でも感謝しています。
こうして公休日も含め無事に年末年始のスケジュールが決まると私は主婦の顔に戻ります。
年末の大掃除は11月に入ると公休日毎に少しずつ片付けていき、年の瀬が近付くとお節料理の準備と・・・それこそまさに師走の光景だったと思います。
お節料理は二人の母直伝で、実家の母と分担したものや、夫の母から習ったものなど、ひととおりのものは全て手作りしていました。“食”に関してはこだわりがありましたし、料理は好きなことのひとつだったので、勤務形態(早番・午後番・中休など)をうまく活用して時間を作っていました。
そういえば除夜の鐘を聞き、初詣してから出勤する年もありましたね(笑)
年頭はいつも心新たに 清々しい気持ちでハンドルを握り、車窓から見る街の風景に新年を実感し気を引き締めたものです。
さて、みなさんもすでにご存知のとおり、平成31年は4月30日で終わって翌5月1日からはいよいよ新しい元号ですね。
最近は、平成の30年間を懐かしみつつも、新元号の日々に期待を寄せることもあります。
私が大型二種免許を取得したのは平成4年2月ですから、路線バス運転手としては25年奉職したことになります。
なので、私の中の平成時代はまさに『バス』がギッシリ詰まっていると言えます。それと同時に、平成の30年間に社会の情勢や状況・人々の生活は大きく変わったなぁとも実感します。
特に西暦が1999年から2000年(平成12年)に変わった年のことは一番心に残っています。その年の12月12日に都営地下鉄12号大江戸線が全線開業となり、都バスの既存路線は統廃合や経路変更など大規模再編成がありました。それにより、都バス乗務員の所属にも大異動があり、同僚として長年苦楽を共にしてきた仲間との別れといった忘れられない思い出があります。
1990年代、私が路線バスの運転手として新人から少しずつ経験を積んでいった時期は、20世紀から21世紀に変わったことや規制緩和政策による社会状況の変化なども今となってはもう遠い日・・・といった印象ですね(笑)
手動から自動へ、アナログからデジタルへ、バリアフリーからユニバーサルデザインへ、AIの到来など・・・利便性や快適性、安全性などを求めて研究が進められています。
技術開発によって技術が進歩していろいろなことが便利になることは歓迎するものの、私は心のどこかで旧態依然とした暖かみがあるものを維持したいなとも思ってしまいます。
新旧交代より、新旧融合を付帯した発展を望みたいと思う今日この頃です。
本年もよろしくお願い申し上げます。
執筆 伊東浩子 『バスギアスペシャルアドバイザー』
この記事をシェアしよう!
フォローする
FaceBookのフォローは2018年2月で廃止となりました。
フォローの代わりにぜひ「いいね!」をご活用下さい。