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伊東浩子の『私にも言わせてよ!』八.春の訪れを楽しみに

みなさま こんにちは。

如何お過ごしでしょうか?

少し遡ること2月3日(日)は節分でしたね。
今年はポカポカと暖かく、各地で節分会が賑やかに行われたと聞きます。

私は成田山新勝寺で『福は内!福は内!』本当に大勢の方々が参詣なさっていました。

今年も明るく元気に過ごしたいですね。


さて、立春を越えて暦の上では春ですが、まだまだ寒さは続きますね。
バス運転手にとって天気の良し悪しはかなり気になるところです。 

天気予報で降雪の情報が流れると、路線バスの車庫ではチェーン装着の準備をしつつ、空模様を見ながら適宜対応します。
路線バスは車庫が近隣にあるので、余程のことがない限りチェーンの装着は車庫構内での作業です。

雪が降っていたり凍っている路面を走る時チェーンは威力を発揮しますが、バスは車体が重いので少しの雪は大丈夫。バス運転手は降雪時の走行を心得ていますし、お客様の安全を第一に考えて慎重に対処します。

...とは言え路上では予期しないことも。

私が現役の頃は、車庫を出る時までは晴れていたのに、だんだん天気が変わってきて吹雪になったこともありました。
そのような天候の日には、一般車の立往生や事故も良く見ましたが、幸いにも私は大事に遭うことはありませんでしたし、何より車庫の技工さんが一生懸命整備してくれたおかげと感謝するばかりです。

雪もさることながら大雨や台風、風の強い日も慎重に対処したものです。
特にいつも雨の日は、バス運転手より乗車なさるお客様の方が大変だと思い『雨のため滑りやすくなっております。お足元には十分ご注意願います。』とよく声をかけさせていただきました。 
また、雨が上がると今度は一気に傘の忘れ物が増えます。『お忘れ物のないように』と、注意を促すこともバス運転手の大事なお仕事。バス運転手の務めに限りはありません(笑)

ある成人の日のことですが、雨や雪が降って晴れ着が濡れて...なんていうこともありました。新成人の女性方は普段から着慣れていないお召し物なので、裾や袂を濡らす姿にハラハラしたことはもはやバス運転手ではなく母親の気持ちでしたね(笑)


このところ私は路線バスを利用することが多くなり、立場が変わると見えるものや感じるものがずいぶんと違うなぁ...と思います。

日本には四季があってどの季節にも特徴があるので、それぞれ状況に応じたサービスやご案内など適宜対処してゆくこともバス運転手の醍醐味だと私は思います。
路線バスの運転手は安全な運行と安心して利用できるサービスを提供する最前線で、天候とも深い関わりがあるんだなぁと思いながら、今もよく空を見上げたりしています。


みなさま、このところ少し日が長くなったと感じませんか? 

私は『あら!もうこんな時間!』と喜んだり慌てたり・・・(笑)
毎年の事ではありますが立春を過ぎて徐々に春の足音が大きく聞こえてくるこの時季を、私は寒の戻りや荒天の無いことを願いながら、本格的な春の訪れを楽しみに過ごします。

今年の桜の開花は、いつ頃でしょうかね?今から楽しみです。

執筆 伊東浩子 『バスギアスペシャルアドバイザー』

いとう ひろこ ― 神奈川県川崎市に生まれ、横浜で育つ。結婚を機に現在の東京都杉並区に移り住む。1992年7月、都交通局に入局。当時35歳で専業主婦から東京都交通局女性乗務員第一号となる。持ち前の元気と負けず嫌いな性格で、主婦業にもいっさい手を抜かず25年に渡って勤務後、2017年に定年を迎え退職。その後は、バス運転手の経験を活かし、講師として地域・社会に貢献。現在も学校運営協議会などを通じて地域の子供達に人との接し方を教えるなどの教育に携わる傍ら、当サイト『バスギアスペシャルアドバイザー』としても活躍の幅を広げている。
伊東浩子の『私にも言わせてよ!』 特集一覧はこちら 関連記事:都営バス初の女性運転手が編集部にやってきた!

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